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EBM:TOPICS

2008/4/14

JELIS

高リスク患者、PCI施行患者などにEPA 製剤はより高い有用性示す

Japan EPA Lipid Intervention Study

関連ジャンル:
脂質異常症
心疾患
臨床研究

 魚油に含まれるn-3多価不飽和脂肪酸の摂取が、冠動脈疾患の予防に重要な役割を果たしていることは、海外における試験の成績から示されていた。同様の治療効果が日本人の高脂血症患者においても得られるかどうかを検討したのが、JELISである。

 主解析の結果は、2005年に開催された第78回米国心臓協会(AHA)学術集会で発表、2007年にはLancetに掲載された。

 総コレステロール(TC)値250mg/dL以上の男女を2群に分け、両群にスタチン系薬剤を投与し、一方にn-3多価不飽和脂肪酸であるイコサペント酸エチル(EPA、商品名;エパデール)1800mg/日(9326例)を加え、他方の対照群は何も加えずスタチンのみ(9319例)とし、約5年間追跡して比較検討した。

 主解析では、対照群に比べEPA群で19%の有意な冠動脈疾患の発生低下が認められた。この発生抑制は、両群のLDLコレステロール(LDL-C)値の低下が同程度だったことから、EPA独自の薬理作用が関与した可能性が示唆された。

 2006年、第79回AHA学術集会Oral Sessionsで、冠動脈疾患の一次予防および二次予防に関するサブ解析が発表され、そこでもEPA製剤の高い有用性が示された。

高リスク患者においてもEPA群でイベント発生率が低下

 一次予防サブ解析では、EPA群7503例、対照群7478例を対象に、複数のリスク因子が重積する患者における冠動脈疾患発生率と、リスクの重積状態に及ぼすEPAの影響を検討した。

 リスク因子を、高脂血症、BMI25以上、高トリグリセライド(TG)血症(150mg/dL以上)または低HDLコレステロール(HDL-C)血症(40mg/dL未満)、糖尿病、高血圧とし、その重積数と冠動脈疾患発生率の関連を調べると、高脂血症に加えてリスク因子が1つ増えるごとに冠動脈疾患発生率が31%有意に上昇した。

 リスク因子重積数別の冠動脈疾患発生率を比較すると、いずれの重積数群においてもEPA群でイベント発生率が低下した。

 また、TG値150mg/dL以上・未満、HDL-C値40mg/dL未満・以上に分け、これらの組み合わせと冠動脈疾患発生リスクとの相関を検討すると、高TGかつ低HDL-C群は他3群に比べ有意にイベント発生率が高かった。

 そして、この高TGかつ低HDL-C群における冠動脈疾患発生率を両群間で比較すると、対照群に比べEPA群では53%もの有意な低下が認められた(図1)。

心筋梗塞+PCI施行例では、EPA群で41%イベント発生低下

 二次予防サブ解析では、心筋梗塞または狭心症の既往がある高脂血症患者(EPA群1823例、対照群1841例)を対象に実施された。

 その結果を見ると、EPAによる冠動脈疾患減少率は、全対象における解析では23%(NNT=49)、心筋梗塞を有する患者では27%(NNT=19)、冠動脈インターベンション(PCI)施行患者では35%(NNT=13)と、それぞれ有意な低下が認められた(図2)。

 また、心筋梗塞の既往を有するPCI施行例では、冠動脈疾患の発生率はEPA群で41%の有意な低下を示した(NNT=10、図3)。

 さらに心筋梗塞の既往を有するPCI施行例では、不安定狭心症、ステント術あるいは冠動脈バイパス術、非致死的心筋梗塞の有意な再発抑制がEPA群で認められている。

 山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学教授の松﨑益德氏は、「一次予防サブ解析の結果から、リスク因子が重積する症例にEPAのより高い有用性が示された」と評価する。

 また、二次予防サブ解析において、EPAが不安定狭心症などのイベントを高率に抑制したことから、「EPA群では対照群に比べて明らかにプラークを安定化した可能性があると言える。PCI施行患者の心筋梗塞発症率は依然として高く、その発症の大きな要因となっている不安定プラークの治療が大きな課題となっている。スタチンにEPAを加えることで、PCI患者の長期予後改善が期待できる」と強調した。

 さらに「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版では、高LDL-C血症に対してはスタチンが、高リスクの脂質異常症に対してはEPA製剤の投与が推奨されていることで分かるように、EPA製剤の使用はエビデンスレベルも推奨レベルも確実に高くなっている」と語った。

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