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EBM:TOPICS

2008/4/14

MEGA Study

血糖値のレベルにかかわらず示されたプラバスタチンによるイベント発生抑制

Management of Elevated Cholesterol in the Primary Prevention Group of Adult Japanese(糖尿病解析)

関連ジャンル:
糖尿病
臨床研究

 2006年5月、第49回日本糖尿病学会のInternational Sessionで、プラバスタチン(商品名;メバロチン)を用いた一次予防試験MEGA Studyにおける糖尿病解析の結果が発表された。血糖値のレベルにかかわらず、いずれの評価項目でもプラバスタチンが心血管系疾患の発症を抑制し、糖代謝異常を有する高脂血症患者ではプラバスタチン服用によって得られるベネフィットが大きいことが明らかになった。

糖代謝異常群で脳梗塞の発症リスクを57%抑制

 MEGA Studyは、冠動脈疾患、脳卒中の既往のない軽度〜中等度(総コレステロール値220〜270mg/dL)の日本の高脂血症患者を対象に、食事療法単独群と食事療法+プラバスタチン(10〜20mg/日)併用群を比較検討した試験。

 主解析ではLDLコレステロール(LDL-C)値低下率が18.0%と比較的軽度であったにもかかわらず、1次エンドポイントである冠動脈疾患の発症が食事療法単独群に比べ33%有意に低下した。さらに、糖代謝異常を有する高脂血症患者におけるプラバスタチンの心血管系疾患発症リスクへの影響を明らかにするため、サブ解析が実施された。

 糖尿病解析では、食事療法単独群とプラバスタチン併用群の両群を、それぞれ糖尿病(DM)群、空腹時血糖異常(IFG)群、DM群とIFG群を合わせた糖代謝異常(AFG)群、正常(NFG)群の4つのサブグループに分け、試験開始5年時点で比較検討した(図1)。

 解析の結果、血清脂質値の変化を見ると、プラバスタチン併用群の総コレステロール(TC)値低下率はDM群12.2%、IFG 群11.8%、NFG群11.3%。LDL-C 低下率はそれぞれ19.0%、18.0%、17.5%。いずれも食事療法単独群に比べ著明な低下が認められた。なお、併用群では各サブグループ間で血清脂質値の変化に差はなかった(図2)。

 主要評価項目についてハザード比を検討した結果、食事療法単独群では、DM群、IFG群、AFG群はNFG群に比べ、いずれの評価項目においてもイベント発症リスクが高くなっていた。一方、こうした発症リスクはプラバスタチン併用群で抑制され、血糖値のレベルにかかわらず、一貫したイベント発生抑制傾向が示された(図3)。特にAFG群において、血行再建術、脳梗塞、冠動脈疾患+脳梗塞の発症リスクが食事療法単独群に比べプラバスタチン併用群でそれぞれ52%、57%、36%と、良好な成績が得られた。

 また、MEGA Studyの主解析では、軽度〜中等度の高脂血症患者に対するプラバスタチンの長期安全性が示されたが、糖代謝異常の合併例でも同様の安全性が示された。糖代謝異常を有するAFG群において、重篤な有害事象や臨床検査値異常、すべての癌の発生頻度に関して、食事療法単独群とプラバスタチン併用群で差がなく、横紋筋融解症も認められなかった。

 さらに、試験期間中、食事療法単独群とプラバスタチン併用群において、空腹時血糖値やHbA1c値の変動に差はなく、プラバスタチンは糖代謝に悪影響を及ぼさない薬剤であることも示された。

 この結果を発表した東京慈恵会医科大学附属青戸病院(糖尿病・代謝・内分泌内科)准教授の蔵田英明氏は、特に脳卒中に関して、「プラバスタチン併用群におけるLDL-C低下率が18%程度と、CARDS(Collaborative Atorvastatin Diabetes Study)のような欧米の試験に比べて比較的軽度であったにもかかわらず、AFG 群で脳梗塞の発症率が57%も有意に低下したことは衝撃的だった。また、動脈硬化を基盤とする冠動脈疾患+脳梗塞の発症リスクが36% 有意に低下し、NNT(治療必要数)が43と50を下回ったことも評価できる」とコメントした。

 「糖代謝異常症例は心血管系疾患の発症リスクが高いため、合併している高脂血症が軽度〜中等度であっても薬物療法の開始を積極的に考慮すべきだ。その際、プラバスタチンは、心血管系疾患の発症リスクの低下と長期にわたる安全性をエビデンスとして示したといえるだろう」(蔵田氏)。

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