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EBM:TOPICS

2008/4/7

CHICAGO

ピオグリタゾンが2型糖尿病患者の動脈硬化の進展を抑制

Carotid intima-media tHICkness in Atherosclerosis using pioGlitazOn

関連ジャンル:
心疾患
糖尿病
臨床研究

 糖尿病は動脈硬化を進展させ、心血管イベントを高率で発症させることが知られている。この動脈硬化の進展を示す指標として用いられているのが、頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(IMT)である。

 CHICAGO試験は、インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾン(商品名;アクトス)の動脈硬化進展抑制作用をIMTによって検討し、SU薬に比べて高い効果を有することを明らかにした。

ピオグリタゾンはSU薬と比べIMTを有意に抑制

 CHICAGO試験の対象は、心血管疾患を伴わない2型糖尿病患者。ピオグリタゾン群とSU薬であるグリメピリド群に無作為に割り付け、両群ともに目標維持空腹時血糖値≦140mg/dLを達成するように漸増投与し、達成されなかった場合、メトホルミンまたはインスリンを併用した。

 追跡期間は18カ月。主要評価項目はmean IMTの変化量(絶対値)。副次評価項目はmax IMTの変化量、HbA1c、脂質代謝、心血管イベント(心血管死、脳卒中などの複合エンドポイント)(図1)。

 解析の結果、投与72週後のmean IMT(平均89カ所のIMT値)の変化量は、ピオグリタゾン群(175例)では登録時0.771±0.008mmから0.001mm低下した。グリメピリド群(186例)では逆に、登録時0.779±0.008mmから0.012mm増加。両群間で0.013mmの有意な差が認められた(図2)。また、 24週後、48週後の時点でも、IMTの変化量はピオグリタゾン群の方が少なかった。

 max IMTの変化量は、ピオグリタゾン群では+0.002mmとほとんど変わらなかったが、グリメピリド群では0.026mm増加した。

 血糖コントロールの指標であるHbA1c値を見ると、グリメピリド群では投与16週までは急速に低下したが、以後は上昇に転じ、72週後にはほぼ投与前のレベルに戻った。一方、ピオグリタゾン群は72週後時点ではグリメピリド群と比べ0.32%有意に低下した(図3)。

 脂質代謝を見ると、HDL-C値はピオグリタゾン群で12.8%増加したのに対し、グリメピリド群では1.1%低下した(図4)。トリグリセリド値はピオグリタゾン群で13.5%低下、グリメピリド群で2.1%増加した。

 心血管イベントの発症は、ピオグリタゾン群では全く認められなかったが、グリメピリド群では2例認められた。

糖尿病における心血管イベントの1次予防に大きく貢献

 この結果を受けて、順天堂大学内科学教授の河盛隆造氏は「PROactive試験でピオグリタゾンは大血管障害の既往のある糖尿病患者の心血管イベントの発症抑制作用を示した。さらにCHICAGO試験では、ピオグリタゾンが糖尿病患者の動脈硬化進展を抑制し、ひいては心血管イベントの1次予防を可能とすることが示された」と語る。

 河盛氏らの研究によると、加齢とともにIMTの値は高くなっていくが、健康な人では70歳でも1.1mmを超えることはあまりない。

 しかし糖尿病患者では、各年齢層でIMT値が健常者より高く、40歳代で1.1mmを超え、20〜30年早く頸動脈の肥厚、すなわち動脈硬化が始まっているという。そのため河盛氏は「早期からIMTやプラークの有無により動脈硬化を定量的に把握すべき」とする。

 また、「ピオグリタゾンは長期にわたる良好な血糖コントロールの維持に優れ、細小血管障害の発症抑制にもつながることが示唆された。2万例を超える日本人を対象に実施されたピオグリタゾン市販後多数例調査PRACTICALでも、HbA1cの良好な低下が認められ、その有効性と安全性が証明された」と結論付けた。

(日経メディカル別冊)

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