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ONTARGET:試験デザイン

2008/3/27

ARBのテルミサルタンとACE阻害薬のラミプリルで心血管保護効果を比較

三和護=日経メディカル別冊

関連ジャンル:
循環器
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脳血管

 ONTARGETは、心血管イベントの高リスク患者を対象に、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)の心血管イベント発症抑制効果を検討する大規模臨床試験。試験デザインは無作為化二重盲検群間並行試験で、アジア、オーストラリア、欧州、米国、中東、南アフリカなど、世界40カ国730施設から3万1546例が登録された。過去の類似する介入試験の中では、最も大規模なものとなっている。

 試験構成は、ONTARGET(Ongoing Telmisartan Alone and in combination with Ramipril Global Endopint Trial)試験とTRANSCEND(Telmisartan Randomized Assessment Study in acevin tolerant subjects with cardiovascular Disease)試験の2つから構成されている。
 
 ONTARGET試験の目的は、心血管イベントの高リスク患者を対象に、ARBのテルミサルタン(商品名;ミカルディス)とアンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬ラミプリルの併用群、テルミサルタン単独投与群と、ラミプリル単独投与群との間で、心血管保護効果を比較検討する。

 一方、TRANSCENDでは、心血管イベントの高リスク患者でACE阻害薬に忍容性のない患者を対象に、テルミサルタンの心血管保護効果をプラセボと比較する。

 登録基準は、(1)55歳以上の心血管イベントの高リスク患者(冠動脈疾患、末梢動脈疾患、脳卒中/一過性脳虚血発作、臓器障害を伴う糖尿病のいずれかを有する患者)、(2)TRANSCENDでは、ACE阻害薬に忍容性のない患者を追加、(3)主な除外基準は、顕性心不全、コントロール不能の高血圧など。TRANSCENDでは、蛋白尿を伴う糖尿病を除外−−となっている。

 対象患者は、まずアンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬の忍容性が評価され、忍容性がある者はONTARGET試験に、ない者はTRANSCEND試験に組み入れられた(図1)。

 ONTARGET試験では、対象者2万3400人をARBのテルミサルタン投与群(ミカルディス80mg/日、7800例)、ラミプリル投与群(ラミプリル10mg/日、7800例)と、テルミサルタン+ラミプリル併用群(ミカルディス80mg/日+ラミプリル10mg/日、7800例)の3群に無作為割付し、ACE阻害薬の単独投与に対するARB単独投与の非劣性、ACE阻害薬の単独投与に対する併用投与の優越性などを検討した。

 TRANSCEND試験では、対象者6000人をテルミサルタン群(ミカルディス80mg/日、3000例)とプラセボ群(3000例)の2群に無作為割付し、プラセボ投与に対するテルミサルタン単独投与の優越性を検討した。

 両試験とも2001年11月から登録を開始し、3.5〜5.5年の追跡を行った。

 主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院の複合心血管イベントの発症。

 2次評価項目は、うっ血性心不全の新規発症、血行再建術の施行、糖尿病の新規発症、認知症/認知障害の進展、腎症、不整脈の新規発症。

 ONTARGET試験とTRANSCEND試験に登録された患者背景は次の通り。

 年齢は、ONTARGET試験が平均66.4歳(男性73.3%)、TRANSCEND試験が平均67.0歳(男性57.5%)。BMIはそれぞれ28.2と28.3、ウエスト−ヒップ比は両試験とも0.9だった。

 既往としては、心筋梗塞が最多で48.7%と46.2%、次いで安定狭心症が34.8%、36.9%と多くなっている。危険因子は高血圧が最多で68.3%と75.9%、次いで喫煙歴ありが51.9%と43.4%だった。糖尿病は37.3%と35.4%だった(表1)。

表1 患者背景(既往と危険因子)(The ONTARGET/TRANSCEND Investigators. Am Heart J. 2004;148(1):52-61

 ベースラインにおける投薬は、スタチンが60.7%と54.5%であり、これはACE阻害薬のラミプリルをプラセボと比較したHOPE試験の2倍以上に相当した。ACE阻害薬は57.5%と58.1%であり、これもHOPE試験の5倍以上になる(表2)。

表2 患者背景(ベースラインにおける投薬)(The ONTARGET/TRANSCEND Trial Programme: baseline data. Acta Diabetol.2005;42 Suppl 1:S50-S56

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