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EMPHASIS‐HF

2010/12/1

EMPHASIS-HF Study──試験結果

軽症心不全患者に対するエプレレノン投与は心血管死や心不全による入院を抑制

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 国内外の慢性心不全ガイドラインでは、RA系阻害薬ループ利尿薬β遮断薬が投与されている心不全患者に対して抗アルドステロン薬の追加投与が推奨されているが、これは重症患者のみを対象としている。

 今回、既にガイドライン通りの薬物治療を十分に受けている軽症心不全患者に対して抗アルドステロン薬を上乗せ投与することにより、患者の心血管死や心不全による入院を抑制できることが示された。

 これは、NYHA?度の軽症心不全患者を対象に、抗アルドステロン薬であるエプレレノンかプラセボを上乗せ投与して予後を評価したEMPHASIS-HF試験の結果から明らかになったもので、フランスNancy University Hospital CenterのFaiez Zannad氏が、2010年11月13日から米国シカゴで開催された第83回米国心臓協会・学術集会(AHA2010)で報告した。

 重症心不全患者に対する抗アルドステロン薬の効果としては、NYHA ?度以上の患者に対するスピロノラクトン、あるいはエプレレノンの追加投与が、全死亡、心臓突然死、心不全による入院などを抑制することがこれまでに確認されている。

 EMPHASIS-HF試験の対象は、55歳以上、左室駆出率≦30%、推算糸球体濾過量(eGFR)30mL/min/1.73m2以上で、NYHA?度の軽症状患者2737例だ。これまでの臨床試験と異なっているのは軽症患者を対象としている点だ。

 本試験では、実薬群とプラセボ群の2群に割り付けており、実薬群はeGFRが50mL/min以上であればエプレレノン25mgを1日1回、同30〜49mL/minでは25mgを1日おきに投与。4週後に血清K値が5mEq/L以下であれば、50mg を1日1回投与(eGFR50mL/min以上)に増量、または25mgを1日1回(eGFR 30〜49mL/min)投与とした。

 主要評価項目は、心血管死あるいは心不全による入院を組み合わせた複合エンドポイントで、副次評価項目は全死亡、心血管死、心不全による入院、致死性/非致死性心筋梗塞や脳卒中の発症などとした。

 登録時の患者背景には群間差は認められなかった(表1)。両群ともRA系阻害薬は9割、β遮断薬も9割近く既に服用しており、十分な薬物治療を受けている患者が対象だった。

(画像をクリックすると拡大します)

エプレレノン追加で死亡や入院を抑制

 当初、本試験の組み入れ予定症例数は3100例で、合計813件のイベントが報告されるまで継続する予定だったが、2010年5月、2回目の中間解析において、主要評価項目が早期に達成されたことが確認され、被験者登録は早期に終了した。

 中央値21カ月までの追跡の結果、心血管死あるいは心不全による入院(複合エンドポイント)の累積発生率は、エプレレノン群18.3%、プラセボ群25.9%で、プラセボ群に対してエプレレノン群は心血管死や心不全による入院を37%有意に抑制することが明らかとなった(ハザード比0.63、95%CI 0.54-0.74、図1)。


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