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EMPHASIS‐HF

2010/11/15

EMPHASIS-HF Study ──試験デザイン

軽症心不全例に対する抗アルドステロン薬エプレレノン上乗せ効果を評価

関連ジャンル:
心不全
循環器
虚血性心疾患

 日本循環器学会が示している「慢性心不全治療ガイドライン」では、経口心不全治療薬の選択は、全ての患者に対するアンジオテンシン変換酵素阻害薬ACE阻害薬)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)、有症状患者に対するβ遮断薬、うっ血症状がある患者に対するループ利尿薬サイアザイド系利尿薬が推奨されている。

 身体機能分類(NYHA)III度以上の重症患者では、ループ利尿薬、ACE阻害薬が既に投与されている患者に対して、抗アルドステロン薬投与が推奨されている。

 抗アルドステロン薬にはスピロノラクトンエプレレノンがあり、NYHA III度以上でACE阻害薬やARB、利尿薬が十分投与されている重症心不全患者に対して追加投与することで、全死亡、心臓突然死、心不全による入院などを抑制する効果が確認されている。スピロノラクトンについてはRALES試験(Pitt B et al. N Engl J Med. 1999;341:709-17)、エプレレノンについてはEPHESUS試験(Pitt B et al. N Engl J Med. 2003;348:1309-21)が行われ、いずれの試験でも抗アルドステロン薬を追加投与することで重症心不全患者の予後を改善させた。

 この2つの臨床試験によってNYHA III〜IV度の重症心不全患者の予後改善における抗アルドステロン薬の有効性が確認され、心不全患者の予後を改善させるためには、RA系阻害薬やβ遮断薬だけでなく、アルドステロンを遮断することが有効であることが示されたことになる。

 一方、NYHA II度の軽症の心不全患者に対する抗アルドステロン薬の有効性はまだ十分に確認されておらず、軽症患者でもアルドステロンを遮断することが予後改善に有効なのかどうか、注目されていた。

 こうして、軽症患者に対する抗アルドステロン薬エプレレノンの効果を評価するために開始された大規模臨床試験がEMPHASIS-HF(Eplerenone in Mild Patients Hospitalization And Survival Study in Heart Failure)だ。

 EMPHASIS-HF試験の対象患者の組み入れ基準は、登録時のNYHAがII度の慢性心不全で、左室駆出率(LVEF)が30%以下あるいはLVEFが35%以下でQRS時間が130ms超。ACE阻害薬、ARB、β遮断薬が十分に投与されており、推算糸球体濾過量(eGFR)は30mL/min/1.73m2以上の患者を対象とした。約3100例を登録する予定だ。

 こうした軽症心不全患者に対して、エプレレノン25mgを1日1回(eGFR 50mL/min/1.73m2以上)、あるいはeGFRが30〜49mL/min/1.73m2の患者はエプレレノン25mgを1日おきに投与するかプラセボを投与する。4週後に血清K値が5mEq/L以下であれば、50mgを1日1回投与(eGFRが50ml/min/1.73m2の場合)、eGFRが30〜49mL/min/1.73m2であれば25mgを1日1回投与するプロトコールとした。

 主要評価項目は、標準的な治療を受けている心不全患者に対するエプレレノンの有効性と安全性であり、心血管死または心不全による入院の複合エンドポイントを評価する。

 副次評価項目は全死亡、心血管死、心不全による入院、致死性/非致死性心筋梗塞や脳卒中、除細動器や再同期デバイスの埋め込み、糖尿病の新規発症、腎機能低下率などとした。


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