新着一覧へ

ACTIVE I:試験デザイン

2009/9/18

AFに対するイルベサルタンの心血管イベント抑制効果を評価

関連ジャンル:
脳血管
心不全
不整脈

 ACTIVE Iは、血管イベントリスクを持つ心房細動患者(AF患者)を対象に、血管イベントの抑制効果を検証するACTIVEプログラム(Atrial Fibrillation Clopidogrel Trial with Irbesartan for Prevention of Vascular Events)に組み込まれた臨床試験だ。

 このACTIVEプログラムの対象は、AFを罹患し、かつ血管イベントのリスク因子(年齢75歳以上、高血圧脳卒中/一過性脳虚血性発作(TIA)既往、左室駆出率(LVEF)45%未満、末梢動脈疾患(PAD)、年齢55〜74歳で冠動脈疾患糖尿病)を1つ以上持つ患者だ。

図1 ACTIVEプログラムの概要(画像をクリックすると拡大します。ESCのサイトより引用、http://www.escardio.org/congresses/esc-2009/congress-reports/Pages/welcome.aspx)

 ACTIVEプログラムは、ACTIVE W、ACTIVE A、ACTIVE Iの3つの試験から構成されている。ACTIVE Wは、抗血小板薬であるクロピドグレルアスピリン併用群とワルファリン投与群を比較するもので、6507例が登録された。ACTIVE Aは、ワルファリン不適応あるいはワルファリン治療を望まなかった患者を対象にクロピドグレル+アスピリン併用群とアスピリン単独群を比較するもので、7554例が登録された(図1)。ACTIVE Wでは、抗血小板療法よりも抗凝固療法であるワルファリン群の方が脳卒中、非中枢神経性全身塞栓症、心筋梗塞、血管死といったイベントを抑制する効果が高いことが示され(Lancet 2006;367:1903-1912)、ACTIVE Aではクロピドグレル+アスピリン群の方がイベント抑制効果は高かったが、出血イベントリスクも高まってしまうことが示されていた(N Eng J Med 2009;360:2066-2078)。

 ACTIVE Iは、ACTIVE W(6507例)、ACTIVE A(7554例)の対象者のうち、収縮期血圧110mmHg以上でアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)投与歴のない患者9016例を対象に、ARBイルベサルタンを投与することで脳卒中心筋梗塞、血管死、心不全による入院を抑制できるかを、平均4年間追跡した試験だ。患者はイルベサルタン群、プラセボ群に割り付けられたが、ACTIVE W、ACTIVE Aのいずれかに登録された患者であることから、ワルファリン、アスピリン、クロピドグレル+アスピリンのいずれかが投与されていることになる。

図2 登録時の患者背景(画像をクリックすると拡大します、ESCのサイトより引用、http://www.escardio.org/congresses/esc-2009/congress-reports/Pages/welcome.aspx)

 ACTIVE Iのプライマリーエンドポイントは2つあり、1つは脳卒中+心筋梗塞+血管死の発症、もう1つは脳卒中+心筋梗塞+血管死に心不全による入院が加えられている。セカンダリーエンドポイントは、脳卒中、心筋梗塞、血管死、心不全による入院。プライマリーエンドポイントもセカンダリーエンドポイントも初発のイベントを対象としている。

 ACTIVE Iの登録時の患者背景は、両群とも平均69歳で女性が約4割、心不全既往例が約3割だった。塞栓症のリスク評価に用いられるCHADS2スコアの平均は約2。心房細動のタイプは、永続性がイルベサルタン群66%、プラセボ群64.4%と最も多く、発作性は両群とも約20%、持続性は両群とも約15%だった(図2)。

図3 登録時の併用薬剤(画像をクリックすると拡大します。ESCのサイトより引用、http://www.escardio.org/congresses/esc-2009/congress-reports/Pages/welcome.aspx)

 登録時の併用薬剤については、ACE阻害薬が両群とも6割に投与されており、β遮断薬が約55%、利尿薬が約54%、Ca拮抗薬が約27%だった。アスピリンは約59%、ワルファリン(ビタミンKアンタゴニスト)は約38%だった(図3)。



CHADS2スコア

  AF患者における塞栓症のリスクを評価するスコアのこと。うっ血性心不全(CHF)、高血圧症(HT)、年齢(Age:75歳以上)、糖尿病(DM)をそれぞれ1点、脳卒中既往(Stroke)を2点としてカウントする。0点を低リスク、1、2点を中リスク、3点以上を高リスクとする。

(日経メディカル別冊)


この記事はPDFでもご覧いただけます。PDFはこちらをクリックしてください。(PDFファイルを別ウィンドウで開きます)

関連記事

Information PR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 眼科専攻医登録数、愛知県の人数はなぜ突然変わった… ニュース追跡◎専門医機構の内部資料から見えてきたこと FBシェア数:43
  2. 腎機能を確認せずに造影CTを行うのは罪? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:86
  3. 1歳男児。躯幹の小丘疹と手掌・足底の水疱 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  4. 手術で体重3割減、合併する糖尿病も高率で寛解 トレンド◎肥満外科治療が日本でも普及の兆し FBシェア数:156
  5. 76歳女性。動悸、ふらつき 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  6. スタチンだけで下げられないリスクを減らすか? トレンド◎フィブラート系薬に20数年ぶりの新薬ペマフィブラート登場 FBシェア数:15
  7. 尿閉を生じた高齢患者で想起すべき疾患は? カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:36
  8. 糖尿病による合併症、忘れてはいけない認知症 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:29
  9. 見えにくい静脈への穿刺を助ける新兵器 リポート【動画付き】◎血管可視化装置の使い勝手は? FBシェア数:96
  10. 「腹膜透析は使えない」は過去のもの 日本透析医学会理事長の中元秀友氏に聞く FBシェア数:13
医師と医学研究者におすすめの英文校正