筑波大学大学院水戸地域医療教育センターの平安座依子氏

 2型糖尿病の発症者では、発症する10年前からHbA1c値国際標準値、以下同)が5.6%より高い状態が続いていることが明らかになった。また、発症1年前に5.9%を示した後、急激に上昇することも分かった。筑波大学大学院水戸地域医療教育センター平安座依子氏らが、1月26日から28日まで東京で開催された日本疫学会で発表した。

 演者らは、2型糖尿病発症10年前からのHbA1c値の変化を明らかにするため、今回の検討を行った。対象は、共同研究施設である虎の門病院人間ドックの受診者で、10年連続で毎年受診した1795人。糖尿病の既往歴があった73人を除外した1722人を対象に解析した。

 対象者は、平均9.5±1.8年の追跡期間中に、HbA1c値と空腹時血糖値(FPG)をそれぞれ1万8044回測定していた。発症者については2型糖尿病発症時点、非発症者については最終観察時点から、それぞれ後ろ向きに測定値の変化を評価し比較検討した。

 対象者のうち、2型糖尿病発症者は193人だった。なお、2型糖尿病の診断は、問診による通院治療開始、FPG≧7.0mmoL(126mg/dL)、HbA1c値(国際標準値)≧6.5%を基準とした。

 解析の結果、2型糖尿病発症者では、発症10年前から5.6%より高値が続いていることが判明した。また、発症6年前ぐらいから徐々に増える傾向を示し、発症1年前に5.9%を示した後、急激に上昇していた。非発症者の場合は、最終観察時点の7年前(5.15%)ぐらいから上昇傾向を示したが、5.6%より高値が続くようなことはなかった。

 一方、FPGの方は、発症3年前から急激に増悪していた。それも徐々に上昇して発症するという変化ではなく、急激に増悪して診断に至っていた。

 これらの結果をもとに平安座氏らは、「現在、糖尿病と診断されていない人でも、特にHbA1c値(国際標準値)が5.6%より高い人は、毎年HbA1c値を測定することが重要」と訴えている。