滋賀医科大学の村上善孝氏

 糖尿病高血圧のある日本人の集団では、ない集団に比べて40歳平均余命が2〜3歳も短いことが明らかになった。滋賀医科大学の村上善孝氏らが1月26日から28日まで東京で開催された日本疫学会で発表した。

 演者らは、平均余命をリスク別に算出することで、リスク因子のインパクトが理解しやすくなると考え、高血圧あるいは糖尿病の日本人集団における平均余命を算出した。解析データにはNIPPON DATA80を使用した。

 算出に必要な総死亡率は、NIPPON DATA80(7707人、40-100歳)のデータを用い、ポワソン回帰法により推定した。

 その結果、高血圧レベル別の40歳平均余命をみたところ、非喫煙の男性の場合、至適血圧群は41.4歳、前高血圧群は41.1歳、高血圧(1)群は40.0歳、高血圧(2)群は38.7歳となった。高血圧レベルが悪いほど平均余命も短く、至適血圧群と高血圧(2)群では、後者で2.7歳も短命だった。

 現在喫煙している男性では、それぞれ38.6歳、38.2歳、36.9歳、35.5歳となった。高血圧レベルが悪いほど平均余命も短く、至適血圧群と高血圧(2)群では、後者で3.1歳も短命だった。また、すべての血圧レベル群で、非喫煙男性より短いという結果だった。

 女性でも同様の結果で、非喫煙女性の場合は、至適血圧群(44.1歳)と高血圧(2)群(42.1歳)で2歳の差があった。喫煙女性の場合は、それぞれ42.8歳、40.5歳で2.3歳の差があった。

 糖尿病のレベル別にみた解析では、非喫煙で正常血圧の男性では、糖尿病なし群が41.6歳だったのに対し、耐糖尿異常群は39.7歳、糖尿病群は39.1歳と糖尿病レベルが悪化するにつれ余命が短いという結果だった。現在喫煙している男性で至適血圧だった場合も、それぞれ38.8歳、36.7歳、36.0歳と短くなった。女性でも同様の結果だった。

 これらの結果を踏まえ、村上氏は「平均余命は、高血圧や糖尿病などのリスク因子のインパクトを分かりやすく示すのに効果がある」とし、「特に糖尿病ありの集団には高血圧、喫煙など生活習慣病危険因子が重複する人々が多いため、今回提示した危険因子で層別化した糖尿病の平均余命は重要と考えられる」などと考察した。