フットケア教育用モデル「足元ネイル君」

 足と爪の専門的ケアを学ぶための新たな教材、フットケア教育用モデル足元ネイル君」(写真)が開発された。患者役の学習者が自分の足に装着し、もう1人の学習者が巻き爪きりなどのケアを体験できるようになっている。「安価で臨場感の高い教材」を目指して、名古屋大学大学院前川厚子氏(写真)らが原田車両設計と共同で開発。その教育成果の一端を、5月に横浜で開催された日本下肢救済・足病学会で報告した。

 前川氏は、わが国においては足病変リスクの高い中高年が増加しており、フットケアの重要性が増していると強調。特に、教育の現場でのフットケア技術の習得は、高齢者や糖尿病患者らの足への関心を高める上でも意義深いとした。だが、教育現場で利用できる教材は「据え置き型で、1体が7万円以上と高価である」(前川氏)ことが課題だった。

左が名古屋大学大学院の前川厚子氏

 この問題認識のものと、前川氏らは「安価で臨場感の高い教材」を目指し、原田車両設計と共同で新たな教材の開発に取り組んだ。

 今回開発したフットケア教育用モデル「足元ネイル君」は、合成樹脂加工で、巻き爪や肥厚爪も付いている。患者役の学習者が右足に装着し、もう1人の学習者が実際に爪を切る体験ができるようになっている。爪はスライド式で長さを調整でき、取り替え用の爪も用意されている。また、学習者が互いに患者役とケア担当役を経験することで、ケアする側の姿勢や環境整備、安全な足の保持についても実習できるというメリットもある。

 医学系学生、在宅医療に取り組んでいる医師や看護師、理学療法士や介護福祉士らを対象に、「足元ネイル君」を用いた学習を実施したところ、「臨場感があり、楽しく学習できるので、相乗効果も高いことが明らかになった」(前川氏)という。今後は、1体が1万円を切る価格を実現し、フットケア教育現場での普及を図っていく意向だ。