主要評価項目は、ベースラインから24週後までのHbA1cの変化量に設定された。重大なプロトコール違反がなく24週間の治療を完遂した患者(プロトコール完遂コホート:PPCコホート)を解析対象としたところ、単剤群は113例、併用群は132例だった。

 PPCコホートにおけるHbA1cのベースラインからの変化量は、単剤群が−2.02%、併用群が−2.81%で、ともに2%以上の有意な低下が認められた(図2)。両群の差は−0.79%(95%信頼区間[CI]:−1.13〜−0.46)で、併用群の方が変化量は有意に大きかった(P<0.0001)。

図2 24週目におけるHbA1cのベースラインからの変化(調整済みの平均値、プロトコール完遂コホートでの解析)

 次にHbA1cの変化を見ると、両群ともに6週後に大きく下がり、その後も減少傾向が続いた。24週後におけるHbA1c 7.0%未満の達成率は単剤群が39.8%、併用群が61.4%で、両群に有意差が認められた(P=0.0008)。

 FPGの変化については、いずれの群も6週後にほぼ最大の低下が得られており、その効果が24週目まで持続していた。24週後におけるベースラインからの変化量は、単剤群が−30.1mg/dL、併用群が−47.1mg/dLで、両群に有意差が認められた(P=0.003)。

 また、HbA1c測定が行われた中途脱落者も含めたFAS(full analysis set)解析で、24週後におけるHbA1cのベースラインからの変化量を見ると、単剤群が−1.68%、併用群が−2.66%で、ともに有意なHbA1c低下が認められ、両群の差は−0.99%(95%CI:−1.33〜−0.64)で有意であった(P<0.0001)。

 有害事象については、試験薬を1回以上服用した患者を対象とし解析した。全有害事象の発現率は単剤群が61.1%、併用群が56.0%で差はなく、服薬中止に至った有害事象、重篤な有害事象などにも大きな違いは見られなかった。なお、担当医が報告した低血糖の発現率は単剤群が3.2%、併用群が1.9%で、両群とも重症低血糖は1例も発生しなかった。

 以上の結果を踏まえRoss氏は、顕著な高血糖を呈する新規に診断された2型糖尿病例に対し、リナグリプチンは単剤投与でも速やかに奏効し、メトホルミンを併用するとその効果はさらに高まったと指摘した。今回の結果は、リナグリプチンの単剤でもメトホルミンとの併用でも良好な血糖コントロールをもたらす可能性があることを示しているとまとめた。

 さらにRoss氏は、「DPP-4阻害薬はアジア人において高い有効性が得られることが報告されているが、今回、白人が6割前後を占める患者群において、単剤療法群でも24週間で2%を超えるHbA1cの低下が認められたことには驚いた。DPP-4阻害薬の活用については、日本が先行する形で、今後欧米にも広がるのではないか」とコメントした。