高齢患者でも3剤併用療法の著効率は変わらない
 C型肝炎治療に関して日本が抱える問題の1つは、高齢患者が多いことです。治療効果が期待できるTVRは副作用が懸念され、高齢患者には対しては、専門医が投与量を減らすなど神経を使いながら治療してきたのが現状です。そのため、高齢者に限らず、副作用が心配でTVRによる治療を受けてこなかった人も数多くいます。今回のCONCERTO試験はいずれも70歳までの患者を対象にしており、安全性の高さが示されました。さらに、年齢カテゴリー別にSVR率を見ても、45歳以下、45歳超65歳未満、65歳以上のいずれにおいても、治療成績がほとんど変わりませんでした(図2)。年齢による差がなかったことから、高齢者にも適した治療だと考えられます。

 もう1つ重要な知見も明らかになっています。SMVを含む3剤併用療法においては、IL28B遺伝子多型の影響をほとんど受けない、あるいは影響が少なくなることが分かりました。この遺伝子多型がPEG-IFN+RBVの治療効果に大きく関係することが明らかになったのは2009年のことです。前治療無効例でSVR率を比較すると、メジャーアレル(TT)は50.0%、マイナーアレル(TGあるいはGG)は42.4%、前治療再燃例ではそれぞれ91.4%、85.7%でした。また初回治療例では、3剤併用群はそれぞれ93.9%、78.0%でしたが、プラセボ群(PEG-IFN+RBV治療群)は71.4%、22.2%と、IL28B遺伝子多型による治療成績の差がかなり縮小していました。従って、SMVを用いる場合は、IL28B遺伝子多型よりも、前治療が有効だったか否かの方が治療成績を左右することが分かりました。

 今後の課題としては、薬剤耐性変異のリスクが挙げられます。CONCERTO-2/3におけるfailure例(breakthough例、中止基準該当例、投与終了時HCV RNA陽性例、再燃例)でNS3プロテアーゼ領域の変異を調べたところ、61例中42例でD168Vを含む変異が認められました。つまり、168番の耐性変異の有無を調べることは非常に重要といえます。