ゲノタイプ1型高ウイルス量のC型肝炎難治例における前治療無効および前治療再燃に対する標準的な再治療法の1つであるペグインターフェロン(PEG-IFN)α-2aとリバビリン(RBV)の併用療法にNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬simeprevir(SMV)を12週間上乗せする3剤併用療法を実施したところ、高い著効(sustained virological response:SVR)率と忍容性に加え、良好な安全性プロファイルが確認された。SMVの第3相試験である「CONCERTO-2」と「CONCERTO-3」の結果から明らかになったもので、武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)消化器科の泉並木氏らが第49回日本肝臓学会総会で発表した。
 
 CONCERTO-2試験の対象は前治療無効例とした。20〜70歳で、血漿中C型肝炎ウイルス(HCV)RNA量が5.0 Log IU/mL以上のゲノタイプ1型のC型肝炎患者のうち、インターフェロン(IFN)療法を24週間実施したが投与期間中に一度も血漿中HCV RNAが陰性化しなかった患者と、ベースラインからの投与開始12週の血漿中HCV RNAの減少量が2.0 Log IU/mL未満だったためにIFN療法を治療開始24週までに中止した患者。これらの患者を、SMVを12週間投与する群(SMV 12週投与群、53人)と24週間投与する群(SMV 24週投与群、53人)に割り付けた。SMV 12週投与群は、SMV(1日1回100mg)とPEG-IFNα-2a+RBVを12週間投与した後に、PEG-IFNα-2a+RBVを12週間投与。SMV 24週投与群は、SMV(1日1回100mg)+PEG-IFNα-2a+RBVを24週間投与した。

 一方、CONCERTO-3試験の対象は前治療再燃例とした。20〜70歳で、血漿中HCV RNA量が5.0 Log IU/mL以上のゲノタイプ1型のC型肝炎患者のうち、24週間のIFN療法終了時に、血漿中HCV RNAが陰性化したが投与終了後1年以内に血漿中HCV RNAが再検出された患者49例。SMV(1日1回100mg)とPEG-IFNα-2a+RBVを12週間投与した後に、PEG-IFNα-2a+RBVを12週間投与した。

 両試験ともに投与開始4週時点のHCV RNAが1.2 Log IU/mL未満または陰性となり、かつ12週時点のHCV RNAが陰性化した場合には、投与開始24週目で投薬を終了した。それ以外の患者はPEG-IFNα-2a+RBVをさらに24週間投与した。両群ともに試験開始72週目まで追跡を行った。

 3群の患者背景に大きな差はなかった。年齢中央値は60〜61歳、男性の割合は40.8〜50.9%、ベースラインのHCV RNA量中央値は6.40〜6.50 Log IU/mL。前治療歴は、PEG-IFN+RBV併用療法が83.7〜86.8%と最も多く、HCVゲノタイプは1bが94.3〜100%を占めた。IL28B遺伝子多型(rs8099917)は、前治療無効例の場合、メジャーアレル(TT)がSMV 12週投与群の15.1%、SMV 24週投与群の11.3%、マイナーアレルのTGがそれぞれ83.0%、86.8%、同GGが1.9%、1.9%を占め、前治療無効例では難治例とされるマイナーアレルが多かった。一方、前治療再燃例においてはTTが71.4%と多く、TGが28.6%、GGが0%だった。

 試験の結果、平均HCV RNA量は、前治療無効例のSMV 12週投与群とSMV 24週投与群、前治療再燃例のいずれにおいても、投与3日目から2週目までに急速に低下し、投与12週目までそのまま低値を維持した。

 主要評価項目である投与終了後12週目のSVR(投与終了時かつ投与終了後12週目のHCV RNA陰性化)率は、SMV 12週投与群が52.8%、SMV 24週投与群が35.8%、投与終了後24週目はそれぞれ50.9%、35.8%だった(図1)。SMV 24週投与群のSVR率が12週投与群よりも低かったことについて、泉氏は「SMV 24週投与群は難治例が多かったことが影響した可能性がある」と指摘した。

 一方、前治療再燃例における投与終了後12週目のSVR率は95.9%、同24週目のSVR率は89.8%だった。