難治例であるゲノタイプ1型高ウイルス量のC型肝炎の未治療患者に対し、ペグインターフェロン(PEG-IFN)α-2aとリバビリン(RBV)、simeprevir(SMV)の3剤併用療法を行うと、標準治療の1つであるPEG-IFNα-2aとRBVの2剤併用療法よりも有意に高い著効(sustained virological response:SVR)率が得られることが明らかになった。投与終了後24週目のSVR率はPEG-IFNα-2a+RBVが56.7%だったのに対し、3剤併用は88.6%に達した。これらはSMVの第3相試験「CONCERTO-1」の結果で、関西労災病院(兵庫県尼崎市)消化器内科の林紀夫氏らが第49回日本肝臓学会総会で報告した。

 SMVは、NS3/4Aプロテアーゼを阻害する新規経口薬。ゲノタイプ1型のC型肝炎患者を対象にした国内第2相試験では、1日1回1錠(50mgまたは100mg)投与で、強い抗ウイルス活性と良好な安全性プロファイルが確認された。
 
 今回対象としたのは、20〜70歳で血漿中C型肝炎ウイルス(HCV)RNA量が5.0 Log IU/mL以上であるゲノタイプ1型の未治療C型肝炎患者183人。年齢(65歳未満、65歳以上)、インターロイキン(IL)28B遺伝子多型で層別化し、SMV群(123人)とプラセボ群(60人)に2対1で割り付けた。肝硬変と肝不全、C型肝炎以外の肝疾患患者は除外した。

 両群の患者背景に差はなかった。年齢中央値はSMV群が56.0歳、プラセボ群が54.5歳、男性割合はそれぞれ31.7%、40.0%、ベースラインのHCV RNA量中央値は6.3 Log IU/mL、6.4 Log IU/mL。IL28B遺伝子多型(rs8099917)の割合は、メジャーアレルのTTが66.7%、70.0%、マイナーアレルのTGが31.7%、28.3%、同GGが1.6%、1.7%だった。HCVゲノタイプは1bが98.4%、98.3%を占めていた。

 SMV群には、SMV(1日1回100mg)とPEG-IFNα-2a+RBVを12週間投与した後に、PEG-IFNα-2a+RBVを12週間投与した。投与開始4週時点のHCV RNAが1.2 Log IU/mL未満または陰性化し、かつ12週時点でのHCV RNAが陰性化した症例は、24週目で投与を終了した。それ以外の患者はさらにPEG-IFNα-2a+RBVを24週間投与した。一方、プラセボ群には、プラセボ+PEG-IFNα-2a+RBVを12週間投与した後に、PEG-IFNα-2a+RBVを36週間投与。両群ともに投与開始から72週目まで追跡した。ウイルス学的中止基準は、投与開始4週目のHCV RNA量が3.0 Log IU/mL超の場合にSMVまたはプラセボのみ投与中止、また同36週目のHCV RNA量が1.2 Log IU/mL以上の場合にPEG-IFNα-2a+RBVの投与を中止した。

 治療完遂率は、SMV群が92.7%、プラセボ群が75.0%だった。SMV群のうち、48週間投与となったのは1例のみ。

 SMV群の平均HCV RNA量は、プラセボ群に比べて早期に減少し、投与開始2週目には多くの症例で検出感度(1.2 Log IU/mL)以下となった。

 主要評価項目である投与終了後12週目のSVR(投与終了時かつ投与終了後12週目のHCV RNA陰性化)率はSMV群が88.6%、プラセボ群が61.7%、投与終了後24週目のSVR率はそれぞれ88.6%、56.7%で、いずれもSMV群で有意に高かった(図1、ともにP<0.0001)。

 SVR率を年齢カテゴリー別に見ると、SMV群は45歳以下が87.0%、45歳超65歳未満が89.7%、65歳以上が86.4%と、年齢による差はなかった。また、プラセボ群はそれぞれ63.6%、51.3%、70.0%だった。