Part1に続き、抗凝固薬を用いた治療についての不満や不安で大きいと考えられるものについて患者400人に聞いた。最も回答数が多かったのは「定期的に医療機関の受診が必要」(55.5%)で、2位以降は「ずっと薬を飲み続けなければいけない」(53.3%)、「毎日薬を服用しなければならない」(49.8%)と続き、生命を脅かす頭蓋内出血や大出血の発現などを想定した「出血の副作用が心配である」は41.0%で第4位だった(図4上)。

図4 ※クリックで拡大します

「出血の副作用」への懸念、患者と医師で認識にギャップ
 一方、医師が考える「抗凝固薬治療に対する患者の不満や不安」で最も大きかったのは「ずっと薬を飲み続けなければならない」(62.4%)で、2位は「出血の副作用が心配である」(59.7%)だった。「出血の副作用が心配である」を選んだ割合は、患者よりも医師の方が18.7ポイント高かった(図4下)。3位以降は、「毎日薬を飲み続けなければならない」(44.5%)、「治療費の負担が大きい」(41.4%)。

 次に患者に対して、緊急手術や大出血が起きたときのために、服用している抗凝固薬の効果をすみやかに打ち消す中和薬が存在することを知ることはどの程度重要かを聞いた。その結果、「重要である」と答えた患者は47.0%で、「まあ重要である」が36.3%、「どちらともいえない」が14.0%、「あまり重要でない」「重要でない」合わせて2.8%だった(図5上)。

図5 ※クリックで拡大します

 医師に対しても同様に、緊急手術や大出血が起きたときのために患者が中和薬の存在を知らされていることは重要だと思うかを聞いたところ、「重要である」と答えた医師は44.1%で、「まあ重要である」が43.7%、「どちらともいえない」が11.0%、「あまり重要でない」「重要でない」合わせて1.1%だった(図5下)。中和薬の存在を知らせることの重要性については、医師と患者のいずれも8割以上が同意していて認識のギャップはなかった。

「中和薬の有無を伝えるべき」に賛同の医師の約2割
 次に、抗凝固薬を処方されるときに、その効果をすみやかに打ち消す中和薬があるかどうかを医師から伝えてほしいと考えるかを患者に聞いた。NPS(Net Promoter Score)の考え方を適用し、「0」を「同意しない」、「10」を「同意する」とした0〜10の11段階評価で回答してもらった(図6※)。その結果、「中和薬があるかどうかを医師から伝えてほしい」に賛同(スケール上の10、9)した人は41.5%、非賛同(スケール上の6〜0)の人は25.0%で両者の差はプラス16.5ポイントとなった(図6上)。

図6 ※クリックで拡大します

 一方、医師に対して「DOACを処方するときに、その抗凝固作用を打ち消す特異的中和薬があるかどうかを医師が患者に伝えるべきである」にどの程度同意するかを、同様のNPSのスケールで答えてもらった。その結果、賛同(10,9)は22.4%で、非賛同(6〜0)は36.9%となり、両者の差はマイナス14.5ポイントだった(図6下)。

 図6の2つのグラフを比べると、中和薬の有無に関する説明については、患者の「伝えてほしい」という希望に対して、医師の「伝えるべきである」という意向は低いことが明らかになった。

 最後に医師に対して、DOACに特異的中和薬があるかどうかは治療決定にどの程度影響するかを聞いたところ、「影響がある(中和薬のあるDOACの処方が増える)」と回答した医師は26.6%で、「やや影響がある」が50.2%、「どちらともいえない」が18.6%、「あまり影響はない」と「影響はない」は合わせて4.6%だった。