2018年5月30日、ファブリー病治療薬ミガーラスタット塩酸塩(商品名ガラフォルドカプセル123mg)が発売された。適応は「ミガーラスタットの反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病」、用法用量は「16歳以上の患者に1回123mgを隔日経口投与。なお、投与時間を原則毎回一定時間とすることや、食事により薬物動態パラメータ(Cmax、AUC)が影響することから食事の前後2時間を避けて投与」。

 ファブリー病は、国が難病(特定難病)と指定している「ライソゾーム病」の1つ。GLA遺伝子の変異によりαガラクトシダーゼ A(α-Gal A)が欠損することにより、その基質であるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)を始めとするスフィンゴ糖脂質が血管内皮細胞、平滑筋細胞、神経節細胞などに蓄積するX染色体劣性遺伝疾患である。ファブリー病は、四肢痛、低汗症、皮膚の被角血管腫、腎不全、心肥大など典型的なファブリー病の症状を呈する古典型、心臓の症状に限局する心型、腎臓の症状にほぼ限局する腎型の3つに分類されており、発症率に人種差はなく、約10万人〜40万人に1人と報告されている。

 従来、ファブリー病の治療としては四肢痛に対してカルバマゼピン(テグレトール他)などの対症療法が用いられていたが、アガルシダーゼ ベータ(ファブラザイム)、アガルシダーゼ アルファ(リプレガル)の酵素補充療法が導入され、有効性の向上が図られた。しかし、一方でいずれの薬剤も点滴静注製剤であり、投与による悪寒・発熱等のアレルギー反応が発現するなど患者への負担も多いことが課題となっていた。

 ミガーラスタットは、スフィンゴ糖脂質の末端ガラクトースの類似体で、薬理学的シャペロンとして変異型α-Gal Aに結合することにより、α-Gal Aのリソソームへの適切な輸送を促進し、リソソームにおけるα-Gal A活性を上昇させる、既存の酵素補充製剤とは異なる新しい作用機序を有した経口製剤である。

 承認時までの国際共同第3相試験(対象:酵素補充療法からの切替における日本人を含むファブリー病患者)及び海外第3相試験(対象:未治療のファブリー病患者)において有効性と安全性が確認された。海外においては、2018年3月現在、欧州、オーストラリア、カナダ、イスラエル、韓国、スイスで承認されている。日本では、2017年4月に希少疾病用医薬品に指定されている。ただし、GLA遺伝子にある遺伝子変異として知られているものの中に、ミガーラスタットに対する反応性のある遺伝子変異となり遺伝子変異があるため、製造販売会社に「ガラファルドに反応性のあるGLA変異」を確認することとなっている。

 承認時までの臨床試験から副作用(臨床検査値異常を含む)が40.9%認められていることに十分注意する必要がある。主なものとして、頭痛(10.4%)、下痢(7.8%)、浮動性めまい・悪心・錯感覚(各5.2%)などであった。