2018年1月19日、抗悪性腫瘍薬イノツズマブ オゾガマイシン(商品名ベスポンサ点滴静注用1mg)の製造販売が承認された。適応は「再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」、用法用量は「1日目0.8mg/m2(体表面積)、8および15日目0.5 mg/m2を1日1回、1時間以上かけて点滴静注した後、休薬。1サイクル目は21〜28日間、2サイクル目以降は28日間を1サイクルとして投与を繰り返す。投与サイクル数は造血幹細胞移植の施行予定を考慮して決定する。となっている。
 リンパ系腫瘍の白血病には、急性リンパ性白血病(ALL)と慢性リンパ性白血病(CLL)があり、ALLは造血幹細胞に近いリンパ前駆細胞の腫瘍で、CLLは成熟リンパ球の腫瘍。ALLは多剤併用療法の寛解導入療法により、80%以上は寛解するものの、半数以上の患者は再発し、20%弱は初回治療に抵抗を示す。このような再発または難治性ALLは予後不良である。
 
 ベスポンサは、イノツズマブ(ヒト化抗CD22モノクローナル抗体)にオゾガマイシン(細胞傷害性抗腫瘍性抗生物質カリケアマイシン誘導体+リンカー)のリンカーを介して共有結合させた抗体薬物複合体(ADC)であり、抗体医薬品と低分子医薬品を組み合わせることで殺腫瘍効果を抗原特異的に発揮するように設計された薬剤。なお、同様のADC製剤としては、2008年6月より「再発または難治性のCD33陽性の急性骨髄性白血病」に適応を有したゲムツズマブ オゾガマイシン(マイロターグ)が臨床使用されている。

 ALLの約80%はB細胞由来であり、かつB細胞由来ALLの約99%はCD22陽性細胞である。ベスポンサは、CD22陽性細胞に特異的に送達され、細胞内に放出されたカリケアマイシン誘導体がDNAの2本鎖を切断して、CD22陽性細胞のアポトーシスを誘導することで、より高い血液学的完全寛解を可能にする。再発または難治性ALL患者を対象とした国際共同第3相試験において、担当医が選択した標準的な化学療法群と比較して有意に高い血液学的完全寛解率を示した。
 
 海外では2017年8月現在、EU(28カ国)、アイスランド、ノルウェー、スイスおよび米国で承認されており、日本では2017年3月に希少疾病用医薬品に指定されている。

 国際共同第3相試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が85.4%に認められていることに十分注意が必要。主なものとして好中球減少(39.0%)、血小板減少(34.8%)、白血球減少(24.4%)、貧血(22.6%)などであり、重大なものは静脈閉塞性肝疾患(VOD) /類洞閉塞症候群(SOS)を含む肝障害、骨髄抑制、感染症、出血、infusion reaction、腫瘍崩壊症候群、膵炎が報告されている。