2018年1月19日、胆汁酸トランスポーター阻害薬エロビキシバット水和物(商品名グーフィス錠5mg)の製造販売が承認された。適応は「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」、用法用量は「1日1回10mgを食前に経口投与。なお、症状により1日15mgまで増量可」となっている。

 便秘は、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されており、排便回数の減少、便の硬さ、排便困難感、残便感等により診断され、主な症状は腹痛、直腸残便感、腹部膨満感である。便秘は発症経過から急性便秘と慢性便秘に大別され、さらに原因・病態等により機能性便秘、器質性便秘などに分類されている。

 便秘に対する治療薬としてはピコスルファートナトリウム(ラキソベロン他)などの大腸刺激性下剤、酸化マグネシウム(マグラックス他)の塩類下剤、ルビプロストン(アミティーザ)のクロライドチャネルアクチベーターなどが単独または併用で使用されている。しかし、それぞれ長期使用による耐性化又は習慣性、高マグネシウム血症を含む電解質異常、悪心の発現等が問題となっている。

 エロビキシバットは、回腸末端の胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害して胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させ、水分分泌と大腸運動促進の2つの作用で排便効果を促す、世界初となる胆汁酸トランスポーター阻害薬である。慢性便秘症患者を対象とした国内第3相プラセボ対照二重盲検比較試験では、本薬の有効性と安全性が確認され、さらに52週間の長期投与試験でも良好な排便状況が維持されていることが認められている。

 国内臨床試験から46.3%に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められていることに十分注意する必要がある。主なものとして腹痛(19.0%)、下痢(15.7%)などであった。

 本薬の使用にあたっては、ウルソデオキシコール酸(ウルソ他)などの胆汁酸製剤の再吸収を阻害し、胆汁酸製剤の作用を減弱するおそれがあることから併用注意となっていること、さらに既存の下剤と同様に器質的疾患、特に腫瘍、ヘルニア等の腸閉塞が確認されているまたは疑いのある患者に対しては腸閉塞を悪化させる可能性があることから禁忌となっていることに十分留意しておく必要がある。