2018年1月19日、アトピー性皮膚炎治療薬デュピルマブ(商品名デュピクセント皮下注300mgシリンジ)の製造販売が承認された。適応は「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」、用法用量は「成人に初回600mg、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与」となっている。

 アトピー性皮膚炎(AD)は、「増悪・寛解を繰り返す、そう痒のある湿疹を主病変とする慢性炎症性疾患であり、患者の多くはアトピー素因を有している」と定義されている。特に、中等度から重症のADは、広範囲な発疹を特徴として、持続する難治性のかゆみ、皮膚の乾燥、亀裂、紅斑、痂皮と毛細管出血を伴うことがある。患者にとって、かゆみが体力を消耗させることもある。

 日本におけるADの患者数は、年々増加傾向にあり、その中にも抗炎症性外用剤[ステロイド、タクロリムス(プロトピック他)]による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、再燃が高頻度かつ長期に認められる症例も存在している。

 ADの病態に関して皮膚バリアの低下によりアレルギー炎症、そう痒などが生じると推測されており、これらの進展には2型炎症反応による皮膚の炎症反応に加え、活性化Th2細胞から産生されるサイトカイン(IL-4、IL-13)によって、皮膚バリアの欠損が引き起こされるといわれている。

 デュピルマブは、IL-4受容体αサブユニットに特異的に結合することで、IL-4及びIL-13のシグナル伝達を阻害するヒト型抗ヒトIL-4/IL-13受容体モノクローナル抗体である。  

 ストロングクラス以上に相当するステロイド外用剤で効果不十分な18歳以上の中等症~重症のAD患者を対象とする2つの国際共同第3相試験(ステロイド外用剤との併用療法、単独療法)で有効性と安全性が確認された。海外では、2017年3月に米国、同年9月に欧州で承認されている。

 副作用に関しては、国際共同第3相試験から30.5%に認められていることに十分注意する必要がある。主なものとして注射部位反応(7.2%)、頭痛(3.0%)、アレルギー性結膜炎(1.7%)などであり、重大なものは重篤な過敏症が報告されている。

 患者選択にあたっては、デュピルマブの適応が「ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者」に限定されていることに注意する必要がある。また、デュピルマブの治療反応は、通常投与開始から16週までには得られるため、16週までに治療反応が得られない場合には、投与中止を考慮しなければならない。また、原則として本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること、保湿外用剤は継続使用することとなっている。

 なお、長期に経口ステロイド薬を投与している患者では、デュピルマブ投与開始後に経口ステロイドを急に中止しないようにし、減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うことにも留意しておく必要がある。