2017年11月27日、抗ウイルス化学療法薬グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル(商品名マヴィレット配合錠)が発売された。本薬は9月27日製造販売が承認され、11月22日薬価収載されている。1錠中にグレカプレビル水和物100mg、ピブレンタスビル40mgを含有する桃色の楕円形の錠剤である。適応は「C型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」。

 1日1回3錠を食後投与するが、病態によって投与期間が異なることに注意する。セログループ1(ジェノタイプ1)またはセログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎では8週間投与し、前治療歴に応じて12週間投与も可となっている。また、すべてのC型代償性肝硬変、セログループ1および2以外のC型慢性肝炎では12週間投与する。

 日本は、C型肝炎ウイルス(HCV)を主な原因とする肝臓がんの発生率が最も高い国の1つと言われている。HCV感染者は世界で1億7000万人、日本では150万〜200万人と推定されている。HCVはジェノタイプ1〜6に分類されており、日本では約70%がジェノタイプ1とされ、その他、約30%がジェノタイプ2、少数がジェノタイプ3〜6となっている。

 従来からC型慢性肝炎(ジェノタイプ1または2)の治療としては、インターフェロン(IFN)製剤とリバビリン(コペガス、レベトール)の併用療法が推奨されてきた。しかし近年、持続的ウイルス陰性化率を向上させたダクラタスビル(ダクルインザ)、アスナプレビル(スンベプラ)、ソホスブビル(ソバルディ)や、それらを配合したレジパスビル・ソホスブビル配合剤(ハーボニー)、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル配合剤(ヴィキラックス)、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル配合剤(ジメンシー)といった経口の直接ウイルス阻害薬(DAAs)が複数開発・承認されている。

 現在、DAAsによる治療では3種類の作用機序が存在する。HCVの複製に必須の蛋白である非構造蛋白5A(NS5A)と5B(NS5B)を阻害するNS5A阻害薬とNS5B阻害薬、非構造蛋白3/4Aプロテアーゼの活性部位を競合的に阻害するNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬があり、これらの併用療法(配合製剤を含む)の12週間投与が標準的な治療となっている。

 マヴィレットは、NS5A阻害薬ピブレンタスビルとNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬グレカプレビルを有効成分とした配合製剤。既存薬の投与期間が12週間もしくはそれ以上となっている中、マヴィレットは最短となる8週間の投与期間になっている特徴がある(ジェノタイプ1または2のC型慢性肝炎の場合)。また、マヴィレットは、リバビリンを使用しない全てのジェノタイプ(1〜6)のHCVに対して強力な抗ウイルス活性を有するパンジェノ型リバビリンフリー製剤でもある。

 国内第3相試験および海外第3相試験において、HCV ジェノタイプ(1〜6) のC 型慢性肝炎患者または代償性肝硬変患者、DAAs既治療、または重度の腎機能障害を有するC 型慢性肝炎患者または代償性肝硬変患者に対し、マヴィレットの有効性および安全性が示された。海外では、2017年7月に欧州連合(EU)、同年8月に米国およびカナダ、同年9月にスイスで承認されている。

 国内第3相試験では、臨床検査値異常を含む副作用が24.1%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用としては、そう痒(4.8%)、頭痛(4.2%)、倦怠感(3.0%)、血中ビリルビン増加(2.4%)などが報告されている。