2017年11月22日、抗Clostridium difficileトキシンBヒトモノクローナル抗体ベズロトクスマブ(商品名ジーンプラバ点滴静注625mg)が薬価収載された。適応は「クロストリジウム・ディフィシル感染症の再発抑制」で、10mg/kgを60分かけて単回点滴静注する。

 クロストリジウム・ディフィシルClostridium difficileC. difficile)は芽胞を形成する嫌気性のグラム陽性桿菌で、2種類の外毒素(C. difficileトキシンAおよびB)を産生する。これらの毒素を産生する株が腸内で増殖すると、C. difficile感染症(CDI)が引き起こされる。

 CDIの主な原因としては、抗菌薬の不適正な使用などが上げられる。抗菌薬よって正常な腸内細菌叢が乱され、C. difficileが定着してCDIが生ずるとされている。主な症状は、下痢、発熱、腹痛などで、偽膜性大腸炎、巨大結腸症を引き起こすこともあり、場合によっては致死的な重症に至る危険性も指摘されている。

 CDIは再発しやすい疾患であり、海外の報告ではCDIを発症した患者の約25%が再発し、そのうち45〜65%が2回以上の再発を繰り返すとされている。特に、CDI既往歴のある患者、高齢者、免疫不全患者、重症のCDI患者では再発リスクが高いとされている。

 C. difficile産生外毒素の中でも、トキシンBが特に病原性に重要な役割を担っている。トキシンBが腸管壁の細胞を傷害し、その破綻部位からCDIの再発が生じるとされている。ベズロトクスマブはトキシンBに対する高親和性を持ち、トキシンBを中和する抗C. difficileトキシンBヒトモノクローナル抗体(中和抗体)である。また、ベズロトクスマブは抗菌活性を有していないことから、バンコマイシンなどのCDIの抗菌薬治療と合わせて使用する薬剤である。

 CDI標準治療抗菌薬投与中のCDI患者を対象とした第3相国際共同試験(001試験、002試験)において、本薬の単回投与による再発の抑制効果が認められている。海外では、2016年10月米国、2017年1月欧州(EU)で承認されている。

 臨床試験では、薬剤投与後4週間までに副作用が7.5%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用として悪心(1.0%)、頭痛(0.8%)、疲労(0.6%)などが認められている。