2017年9月27日、血液凝固第VIII因子製剤ロノクトコグ アルファ(商品名エイフスチラ静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用1500、同静注用2000、同静注用2500、同静注用3000)の製造販売が承認された。適応は「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」であり、1回10〜30国際単位/kgを緩徐に静注する。定期的に投与する場合は1回20〜50国際単位/kgを週2回または週3回投与する。

 血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)は、X染色体連鎖劣性遺伝性の出血性疾患であり、主に男性に発症する。血液凝固第VIII因子(FVIII)の機能的欠損により正常な血液凝固能が障害され、出血を繰り返したり、出血が長時間にわたることが認められている。出血に伴う合併症として、関節の重度の腫れや痛み、関節障害、それによる身体障害、致死的な出血などを引き起こす危険性がある。血友病は全世界で46万人が罹患している。そのうち約80%は血友病Aに罹患し、日本では約5000人の血友病A患者が確認されている。

 血友病Aの治療としてはFVIII製剤による補充療法(定期的、出血時または周術期の投与)が標準的治療法とされており、具体的な製剤としてはルリオクトコグ アルファ ペゴル(アディノベイト)およびオクトコグ ベータ(コバールトリイ)、エフラロクトコグ アルファ(イロクテイト)が使用されている。

 エイフスチラは、日本初となるFVIIIの重鎖と軽鎖が共有結合した単鎖構造を有する遺伝子組換えヒトFVIII類縁体である。生体内でトロンビンにより切断された後は、内因性の活性型FVIIIと同一の構造に変換され、血液凝固活性を示す。この特性によりフォン・ヴィレブランド因子との高い親和性を持ち、体内での安定性が向上していることから、薬物動態(PK)プロファイルが従来薬と比べて改善しており、投与頻度が少ない(週2回)特徴を有した製剤となっている。

 成人および小児血友病A患者(FVIII活性1%未満)を対象とした日本人を含む国際共同第1/3試験(1001試験)、海外第3相試験から、PKプロファイル、安全性および有効性において高い有用性が確認された。海外では、2016年5月米国、2017年1月欧州(EU)で承認されている。

 臨床試験から副作用が5.4%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用として、過敏症(1.2%)、浮動性めまい(0.8%)などがあり、重大な副作用は、他の凝固因子製剤においてショック、アナフィラキシー関連事象が報告されていることから、本剤においても注意喚起がなされている。

 薬剤使用に際しては、血液製剤代替の生物由来製品であることから、従来の特定生物由来製品と同様に投与または処方した場合には、医薬品名、製造番号、投与または処方した日、投与または処方を受けた患者氏名と住所などを記録し、少なくとも20年間保存する義務があることにも留意しておかなければならない。