2017年9月27日、抗悪性腫瘍薬ダラツムマブ(商品名ダラザレックス点滴静注用100mg、同点滴静注用400mg)の製造販売が承認された。適応は「再発又は難治性の多発性骨髄腫」。1日1回16mg/kgを点滴静注する。投与間隔は併用する薬剤によって異なり、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用では1〜8週目は1週間間隔、9〜24週目は2週間間隔、25週目以降は4週間間隔で投与する。ボルテゾミブおよびデキサメタゾンとの併用では1〜9週目は1週間間隔、10〜24週目は3週間間隔、25週目以降は4週間間隔で投与する。

 多発性骨髄腫MM)は、骨髄中の形質細胞が癌化し、再発を繰り返す難治性の造血器腫瘍である。MMでは貧血、腎障害、骨痛および骨折、血液中のCa値上昇などの症状が発現する。日本における推定患者数は約1万8000人とされており、MM治療としては、プロテアソーム阻害薬ボルテゾミブ(ベルケイド)、カルフィルゾミブ(カイプロリス)や、経口プロテアソーム阻害剤イキサゾミブ(ニンラーロ)、免疫調節薬サリドマイド(サレド)、レナリドミド(レブラミド)、ポマリドミド(ポマリスト)、さらに近年になりヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬パノビノスタット(ファリーダック)、ヒト化抗ヒトSLAMF7モノクローナル抗体エロツズマブ(エムプリシティ)を用いた複数のレジメンが使用されている。

 ダラツムマブは、MM細胞を含む造血器悪性腫瘍の腫瘍細胞表面に発現するヒトCD38抗原に結合することで、抗悪性腫瘍効果を発揮するヒト型免疫グロブリンG1κモノクローナル抗体である。CD38抗原に結合し、補体依存性細胞傷害(CDC)作用、抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用、抗体依存性細胞貧食(ADCP)作用などを発揮することにより、腫瘍の増殖を抑制する。また、Fc領域の架橋形成によるアポトーシス誘導およびCD38酵素活性の調節作用なども有している。

 再発または難治性MM患者を対象としたレナリドミドおよびデキサメタゾンへの上乗せ効果を検討した第3相国際共同試験(MMY3003試験)、ボルテゾミブおよびデキサメタゾンへの上乗せ効果を検討した第3相海外臨床試験(MMY3004試験)において、ダラツムマブを含む併用群の優越性が示され、安全性および忍容性が確認された。海外では、単剤療法および併用療法として米国、欧州をはじめとして、2017年8月までで、世界56の国および地域で承認されている。また日本では、2016年12月に希少疾病用医薬品として指定されていた。

 再発または難治性のMM患者を対象とした併用療法の第3相臨床試験において74.9〜76.0%に臨床検査値異常を含む副作用が認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用として上気道感染・呼吸困難・咳嗽・疲労(各10%以上)などがあり、重大な副作用はInfusion reaction、骨髄抑制、感染症、腫瘍崩壊症候群が報告されている。