2017年9月27日、脂質異常症治療薬エゼチミブアトルバスタチンカルシウム水和物(商品名アトーゼット配合錠LD、同配合錠HD)の製造販売が承認された。配合錠LD(エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg)、配合錠HD(エゼチミブ10mg+アトルバスタチン20mg)の適応はどちらも「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」で、1日1回1錠を食後に投与する。なお、アトルバスタチンの配合製剤としては持続性カルシウム拮抗薬アムロジピン(ノルバスク、アムロジン他)との配合製剤(カデュエット)が「高血圧症または狭心症と高コレステロール血症または家族性高コレステロール血症の併発」の適応で2009年12月より臨床使用されている。

 日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドラインは、脂質異常症、特に高LDLコレステロール(LDL-C)血症の薬物治療の第一選択薬としてアトルバスタチンなどのHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬)を推奨している。さらに、単剤で脂質管理目標値を達成しない場合は、スタチンを中心に併用療法を考慮することとしている。

 アトーゼットは、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブ(ゼチーア)とHMG-CoA還元酵素阻害薬アトルバスタチン(リピトール他)を配合した、日本初となる脂質異常症の治療薬同士の配合製剤である。エゼチミブは、小腸上部の刷子縁膜上に存在し、小腸壁におけるコレステロール輸送機能を担っている「小腸コレステロールトランスポーター」を阻害することで、小腸からのコレステロール吸収を阻害する。一方、アトルバスタチンは、肝臓に選択的に分布するコレステロール合成の律速酵素HMG-CoA還元酵素を特異的かつ拮抗的に阻害し、肝細胞内のコレステロール含量を低下させ、LDL受容体の発現を促進する。その結果、血液中のLDL-Cの取り込みを増加させ、血清コレステロールを低下させる。

 アトーゼットは、既存の高血圧治療薬および糖尿病治療薬の作用機序が異なる配合製剤と同様に、多剤併用を必要とする患者の服薬負担を軽減することで服薬アドヒアランスを改善することが期待されている。高コレステロール血症および家族性高コレステロール血症を対象とした国内臨床試験において、単独投与で効果不十分な症例に対して、本薬の良好なLDL-C低下効果が確認された。海外では2017年4月までで、世界40以上の国と地域で承認されている。

 国内の臨床試験では、臨床検査値異常を含む副作用が1.5%に認められていることに十分注意する。主な副作用としてALT増加、AST増加、γ₋GTP増加、Al-P増加、胃炎、腹部膨満、便秘などがあり、重大な副作用としては各成分で過敏症、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、横紋筋融解症、ミオパチー、免疫介在性壊死性ミオパチー、劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症、高血糖、糖尿病、間質性肺炎が報告されている。

 薬剤使用に際しては、他の配合製剤と同様に該当疾患の治療の第一選択薬として用いないことにも留意しておく必要がある。