2017年7月3日、抗ヘルペスウイルス薬アメナメビル(商品名アメナリーフ錠200mg)の製造販売が承認された。適応は「帯状疱疹」で、1日1回400mgを食後に経口投与する。

 帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされるウイルス感染症で、潜伏感染しているVZVの再活性化によって発症する。VZVが気道粘膜または眼粘膜を介して感染すると、感染から約2週間後に水痘病変が発現する。通常、この水痘自体は数週間で自然治癒するが、ウイルスは脊髄後根神経節に潜伏感染する。その後、ストレスや加齢などによって免疫力が低下するとVZVが再活性化し、皮膚症状や疼痛を主な症状とする帯状疱疹が現れる。帯状疱疹は水痘既感染者なら誰でも発症し得るが、60歳を超えるとその発症率は急激に上昇することが分かっており、さらには帯状疱疹後神経痛(PHN)として難治性の末梢神経障害性疼痛に発展することも報告されている。

 従来から帯状疱疹の治療では、核酸類似体のアシクロビル(ACV:ゾビラックス他)、バラシクロビル(VACV:バルトレックス他)、ファムシクロビル(FCV:ファムビル)が臨床使用されている。

 アメナメビルは、ヘルペスウイルスのDNA複製を阻害する新しい作用機序を有した抗ヘルペスウイルス薬である。ヘルペスウイルスのヘリカーゼ・プライマーゼ複合体のDNA依存的ATPase活性、ヘリカーゼ活性およびプライマーゼ活性を阻害することにより、二本鎖DNAの開裂およびRNAプライマーの合成を抑制し、抗ウイルス作用を発揮すると考えられている。

 VACVを対照とした無作為化二重盲検並行群間試験(対象:帯状疱疹による皮疹出現後72時間以内の患者)などの国内臨床試験において、VACVに対する非劣性が確認されている。また、アメナメビルは、核酸類似体の既存薬とは作用機序が異なるために交差耐性を示さない、主に糞中に排泄されるといった特徴を有しており、腎機能による薬物動態への影響が少ないことからクレアチニンクリアランス(Ccr)に基づく用量調節が不要となっている。なお、本薬は日本で開発された薬剤であり、2017年6月時点で、海外では未承認である。

 国内臨床試験で、臨床検査値異常を含む副作用が14.5%に認められている。主な副作用としては、β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加(2.8%)、α1ミクログロブリン増加(1.9%)、フィブリン分解産物増加(1.6%)、心電図QT延長(1.3%)などが報告されている。

 また、リファンピシン(リファジン他)との併用は、両薬剤の肝薬物代謝酵素CYP3A誘導作用により相互に血中濃度が低下することから禁忌となっていることに留意しなければならない。