2017年7月3日、2型糖尿病治療薬でDPP-4阻害薬であるテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物とSGLT2阻害薬であるカナグリフロジン水和物の配合剤(商品名カナリア配合錠)の製造販売が承認された。本薬(1錠中:テネリグリプチン20mg+カナグリフロジン100mg)の適応は「テネリグリプチンおよびカナグリフロジンの併用による治療が適切と判断された2型糖尿病」で、1日1回1錠を朝食前または朝食後に経口投与する。なお、本剤を2型糖尿病治療の第一選択薬として用いないことに注意する。

 一般的に、2型糖尿病の治療では、第一選択薬としてスルホニル尿素(SU)系薬やジペプチジルペプチダーゼ‐4(DPP-4)阻害薬などの単独投与が行われており、単独投与で血糖コントロールが不十分な場合には、増量または作用機序の異なる薬剤の併用療法が推奨されている。配合製剤は、服薬する薬剤の種類、錠数および服用回数が減少できることなど患者サイドにとっても大きな利点も有している。

 現在、配合製剤としては、チアゾリン誘導体ピオグリタゾン(アクトス他)とDPP-4阻害薬アログリプチン(ネシーナ)との配合製剤(リオベル)、ピオグリタゾンとSU系薬グリメピリド(アマリール他)との配合製剤(ソニアス)、ピオグリタゾンとビグアナイド(BG)系薬メトホルミン(メトグルコ他)との配合製剤(メタクト)、速効型インスリン分泌促進薬ミチグリニド(グルファスト)とαグルコシダーゼ阻害薬ボグリボース(ベイスン他)との配合製剤(グルベス)、DPP-4阻害薬ビルダグリプチン(エクア)とBG系薬メトホルミンとの配合製剤(エクメット)、DPP-4阻害薬アログリプチンとBG系薬メトホルミンとの配合製剤(イニシンク)が臨床使用されている。

 カナリアは、インスリン分泌促進作用とグルカゴン分泌抑制作用を有するDPP-4阻害薬テネリグリプチン(テネリア)と尿糖排泄促進作用のSGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)阻害薬カナグリフロジン(カナグル)という異なる作用機序で血糖降下作用を有する本邦初となる配合製剤である。

 本薬は、国内での上乗せ検証的試験および長期継続投与試験(対象:食事療法と運動療法に加えて、テネリグリプチンまたはカナグリフロジン単独投与で効果不十分な患者)において本薬の良好な血糖コントロールが確認された。

 国内臨床試験では、臨床検査値異常を含む副作用が15.7%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用には頻尿(3.3%)、血中ケトン体増加(2.0%)、外陰部膣カンジダ症、便秘、口渇(各1.7%)などがあり、重大な副作用は低血糖、脱水、ケトアシドーシス、腎盂腎炎、敗血症、腸閉塞、肝機能障害、間質性肺炎、類天疱瘡が報告されている。