2017年3月30日、外用頭部乾癬治療薬クロベタゾールプロピオン酸エステル(商品名コムクロシャンプー0.05%)の製造販売が承認された。適応は「頭部の尋常性乾癬」。1日1回、乾燥した頭部に患部を中心に適量を塗布し、約15分後に水または湯で泡立て、洗い流す。本薬の使用に際しては、髪が濡れた状態で使用すると薬が垂れて目に混入し、白内障などの眼障害を起こす可能性があるため、乾燥した頭皮に使用するように患者へ事前に指導する必要がある。

 乾癬は、表皮細胞の増殖・分化異常、活性化T細胞を主体とする炎症細胞浸潤、血管増生を特徴とする炎症性角化症である。慢性かつ難治性の皮膚疾患で、寛解と増悪を繰り返しながら経過する。臨床所見から乾癬の病型は、尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の5つに分類されているが、日本では約9割が尋常性乾癬である。また、乾癬患者の約76%で頭部に皮疹が認められている。

 治療法としては、活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用療法、紫外線照射による光線療法、シクロスポリンなどの免疫抑制薬を用いた内服療法があり、近年ではTNFα阻害薬であるアダリムマブ(ヒュミラ)、インフリキシマブ(レミケード他)の生物学的製剤による治療が行われるようになり、有効性が高くなってきている。罹患患者の大半を占める軽症から中等症に対しては、活性型ビタミンD3やステロイドの外用剤を用いた治療が中心となっている。また、単剤のみならず、近年では高い有用性と投与の利便性から両剤を配合した製剤、カルシポトリオール水和物・ベタメタゾンジプロピオン酸エステルの配合剤(ドボベット)、マキサカルシトール・ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの配合剤(マーデュオックス)の軟膏が使用されている。

 一方で、頭部や顔面は薬剤の経皮吸収率が高く、ステロイド軟膏による皮膚萎縮などの局所性副作用の懸念もあることから、特に頭部に症状を有する患者の中には、外用剤治療での満足度が低く、QOLも障害されてしまう問題が生じている。

 今回製造販売が承認されたクロベタゾールプロピオン酸エステルはストロンゲストのステロイドであるが、頭部の患部に塗布した後、約15分後に水または湯などで泡立てて、洗い流すというshort contact therapyで局所性副作用を軽減するシャンプー様外用液剤である。尋常性乾癬患者を対象とした国内第3相臨床試験で、投与4週後の有効性と安全性が確認された。海外では、2016年11月までに、米国および英国を含む世界62の国または地域で承認されている。

 国内第3相臨床試験において副作用は認められなかったものの、海外臨床試験および外国での市販後に報告された副作用(他剤形での報告を含む)では、灼熱感などの過敏症や毛包炎などの皮膚感染症も認められていることに十分注意する。