2017年3月7日、抗マラリア薬アルテメテル・ルメファントリン(商品名リアメット配合錠)が発売された。本薬は、2016年12月19日に製造販売が承認、2月15日に薬価収載されている。体重に応じて1回1錠〜4錠を初回投与し、その8時間後にも経口投与する。その後は1日2回、朝・夕に2日間(計6回)、食直後に投与する。使用に際しては、本薬がマラリア原虫の休眠体(ヒプノゾイト)には効果がないことに注意し、また投与後1時間以内に嘔吐した場合には、再投与が必要なことに留意しておかなければならない。

 人に感染するマラリアには、熱帯熱マラリア、非熱帯熱マラリア(三日熱マラリア、卵形マラリア、四日熱マラリア、サルマラリア)が知られている。現在、急性期のマラリア治療薬としては、キニーネ塩酸塩水和物(塩酸キニーネ)、メフロキン塩酸塩(メファキン)、アトバコン・プログアニル塩酸塩(マラロン)、さらに再発を予防する目的でヒプノゾイトを殺滅させるプリマキンリン酸塩(プリマキン)が臨床使用されている。

 マラリアの中で非熱帯熱マラリアは、比較的緩徐な経過をたどり、死に至ることは少ないが、一方、熱帯熱マラリアは短期間のうちに血中の原虫が急激に増加して重症化しやすいことから、早期診断と治療が必要となっている。そのため、マラリア治療ではマラリア原虫を速やかかつ確実に消失させ、薬剤耐性原虫の出現を防止することが極めて重要になる。

 WHOガイドラインでは薬剤耐性原虫の出現を防止・遅延させ、治療効果を向上させるために、アルテミシニン誘導体と作用機序が異なる他剤との併用療法(ACT)が第一選択として位置付けられている。

 リアメットは、1錠中にアルテミシニン誘導体アルテメテル20mgとルメファントリン120mgを含有する配合製剤であり、ACTの代表的な薬剤である。リアメットのマラリアに対する詳細な作用機序は現時点で明確ではないものの、含有成分のアルテメテルおよびルメファントリンが、赤血球に侵入した成熟過程の原虫に対して抗マラリア原虫活性を有するためと考えられている。

 合併症のない急性熱帯熱マラリア患者を対象とした海外の6つの臨床試験では、本薬4錠を1日2回3日間、計6回投与した結果において、投与開始28日後のマラリア原虫の消失と高い治癒率が確認された。

 海外では、2016年9月までで、米国、イギリスなど60以上の国または地域で承認されている。日本では、日本医療研究開発機構の「熱帯病治療薬研究班」が海外より2002年から輸入し、研究班に所属する医療機関で使用していた。熱帯病治療薬研究班がマラリア治療薬としての要望書を厚生労働省に提出し、「医療上の必要性が高い未承認薬・適応外薬検討会議」で評価されたことが、今回の承認・発売につながった。

 海外での臨床試験などから、浮動性めまい、食欲不振、悪心、嘔吐、貧血、好酸球増加症といった副作用が確認され、重大な副作用としてはQT延長、アナフィラキシーが報告されていることに注意する。