2016年11月28日、潰瘍性大腸炎治療薬メサラジン(商品名リアルダ錠1200mg)が発売された。本薬は9月28日に製造販売が承認され、11月18日に薬価収載されている。適応は「潰瘍性大腸炎(重症を除く)」。1日1回2400mg、活動期には1日1回4800mgを食後に経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。

 潰瘍性大腸炎とは、主に大腸の粘膜において、しばしばびらんや潰瘍を形成する慢性難治性炎症性腸疾患。臨床症状として、持続性または反復性の粘便・血便などがあり、下痢、腹痛、発熱を伴うことも多い。罹患部位や罹患範囲、炎症症状の程度によって多彩な臨床症状を示すびまん性非特異性炎症である。

 潰瘍性大腸炎は、厚生労働省の特定疾患に指定されている。発症原因の詳細は明確に解明されておらず、根本的な治療法は確立されていない。寛解と再燃を繰り返すことから、長期にわたる内科的薬物治療が必要となる。

 治療の基本は、病態に応じた治療法の選択と症状のコントロールであり、速やかに寛解導入を図り、寛解を長期に維持することに重点が置かれる。薬物治療としては、サラゾスルファピリジン(サラゾピリン他)、5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤メサラジンなどが基本的治療薬となり、重症になるにつれて各種ステロイド製剤、免疫抑制薬、TNFα製剤などが使用される。

 基本的治療薬として既にメサラジンは臨床使用されているが、上部消化管で速やかに吸収されてしまうため、近年、上部消化管での吸収を抑えて、大腸に効率的に送達することを目的とした時間依存型放出調節製剤(ペンタサ他)、pH依存型放出調節製剤(アサコール他)などの経口製剤が開発されている。また、メサラジンは病変部に作用して炎症を抑制するが、その治療効果は大腸粘膜中の濃度と相関することが報告されている。

 これら製剤の使用により、治療効果は顕著に向上してきた。しかし活動期から寛解期を通して長期服用が必要になり、また寛解導入期には高用量で使用した方が効果は高いため、服薬回数や錠数が多くなる傾向にあった。従来の製剤は、1日3回投与が原則であり、時間依存型放出調節製剤のペンタサのみが寛解期に1日1回投与となっている。

 リアルダは、親水性基剤と親油性基剤とからなるマルチマトリックス(MMX)中にメサラジンを分散させた素錠部に、pH応答性の高分子フィルムをコーティングしたDDS製剤である。胃内および小腸部付近でのメサラジンの放出は抑制され、大腸付近へ移行した時点で、高分子フィルムが溶解する。その後、素錠部分が腸液でゲル化、膨潤し持続的にメサラジンが大腸全域に放出される。

 国内の活動期および寛解期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした二重盲検群間比較試では、メサラジンの既存薬に対する非劣性を検証するとともに優越性も確認された。海外では、2006年12月にオランダで承認されて以来、2016年2月までで、世界37カ国にて承認されている。

 国内の3つの臨床試験から、臨床検査値異常を含む副作用が23.9%に認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用として尿中N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)増加(5.2%)、ビリルビン増加(3.2%)、潰瘍性大腸炎の悪化(3.0%)などがあり、重大な副作用は血液障害(再生不良性貧血、汎血球減少症など)、心臓障害(心膜炎など)、間質性肺疾患などが報告されている。薬剤使用に際しては、最新の添付文書にて安全性などを確認する必要がある。