2016年7月4日、抗てんかん薬オクスカルバゼピン(商品名オクノベル錠150mg、同錠300mg、同内用懸濁液6%)の製造販売が承認された。適応は「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」。4歳以上の小児に使用するが、15歳以上の患者における有効性および安全性は確立していないことから、15歳以上の患者に新規投与は行わないこととされている。

 4歳以上の小児に、オクスカルバゼピンとして1日8〜10mg/kgまたは600mgのいずれか低い方の用量で投与を開始し、1日2回に分割して経口投与する。増量は1週間以上の間隔を空けて行い、1日の増量幅は10mg/kgまたは600mg のいずれか低い方を超えない範囲とする。維持用量は患者の体重に合わせて細かく決められている。体重15.0kg以上20.0kg未満は1日600mg、20.0kg以上29.0kg以下は1日900mg、29.1kg以上39.0kg以下は1日1200mg、39.1kg以上は1日1800mgとする。しかし症状により適宜減量を検討する。

 オクスカルバゼピンは、てんかんの部分発作に対する第一選択薬であるカルバマゼピン(テグレトール他)の中枢神経系などへの副作用軽減を目的として、化学構造を修飾した抗てんかん薬である。作用機序はカルバマゼピンと同様で、主に電位依存性ナトリウムチャネルの遮断の他に、カリウムチャネルとの相互作用と高電位活性化カルシウム電流の抑制、グルタミン酸介在性作用の抑制などにより、抗痙攣作用を示すと考えられている。

 オクスカルバゼピンは既存のカルバマゼピンと比べて同等の有効性を有し、忍容性が高いことも確認されており、海外ではEU、米国など世界90カ国以上で承認されている。米国および英国の薬物治療ガイドラインなどでは、成人または小児てんかん患者の部分発作に対する標準治療薬として位置づけられ、既存薬との併用療法が推奨されている。

 以上のことを踏まえ日本では、日本てんかん学会および日本てんかん協会から厚生労働省に対して早期開発・承認の要望書が2005年に提出され、第7回未承認薬使用問題検討会議(2006年)を経て「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(2010年)にて高い評価を得たことが今回の承認につながった。

 国内の小児てんかん患者を対象としたプラセボ対照二重盲検試験および長期継続投与試験では、65.6%に副作用が認められていることに十分注意する。主な副作用として傾眠(40.6%)、嘔吐(8.3%)、浮動性めまい(7.3%)、発疹(6.3%)などがあり、重大なものは全身症状を伴う重篤な皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、多形紅斑)などが報告されている。その他、詳細な副作用に関しては添付文書を参照されたい。

 特に、中毒性表皮壊死融解症など全身症状伴う重篤な皮膚障害の発現重篤な副作用に関しては、添付文書の警告欄にも記載されており、さらに厚生労働省からも適正使用への留意を求める通知が出されている。このことから、薬剤使用においては「適正な流通管理」が承認条件として課せられている。

 具体的には、(1)製造会社は、処方医および皮膚科医に対して同薬の安全性および適正使用情報の周知を行った上で、皮膚科医との連携が確認できた医師に対して、氏名と所属医療機関、連携する皮膚科医と所属医療機関をデータベースに登録(e-登録)するよう依頼する、(2)製造会社は、薬局薬剤師に対しても、同薬の安全性および適正使用に関する情報提供を行い、薬剤師の所属する薬局または医療機関をデータベースに登録する――ことを求めている。また、薬剤師は、調剤前にe-登録された処方医であることを確認し、確認できない場合には調剤を拒むことができる。


【関連情報】
オクスカルバゼピン製剤の使用に当たっての留意事項について(平成28年7月4日薬生薬審発0704第1号・薬生安発0704第1号)(PDFファイル)