2016年7月4日、経口腸管洗浄薬ピコスルファート酸化マグネシウム無水クエン酸配合剤(商品名ピコプレップ配合内用剤)の製造販売が承認された。適応は大腸内視鏡検査および大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除。1回1包を150mLの水に溶解し、検査または手術前に2回経口投与する。なお本薬剤には、検査または手術の前日および当日に投与する分割投与、前日にのみ投与する前日投与の2種類の投与方法がある。詳細に関しては添付文書並びにインタビューフォームを参照していただきたい。

 大腸内視鏡検査の事前準備として、腸管内容物を除去するための腸管洗浄薬が一般的に使用されている。日本で臨床使用される主な腸管洗浄薬には、ポリエチレングリコール(PEG)電解質製剤(ニフレック、モビプレップ)、あるいは塩類下剤のクエン酸マグネシウム製剤(マグコロール)、リン酸ナトリウム製剤(ビジクリア)などがある。しかし、これらの腸管洗浄薬は味や服用量の多さなどから患者への負担が多く、その結果、不十分な腸管洗浄や大腸内視鏡検査の受診率低下につながると懸念されていた。そのため、より患者への負担が少なく、腸管洗浄能力の高い製剤の開発が待たれていた。

 ピコプレップは、刺激性下剤のピコスルファート(ラキソベロン他)に酸化マグネシウム、無水クエン酸を配合したもので、水で溶解した際に塩類下剤のクエン酸マグネシウムが生成される製剤である。上記2つの異なる作用機序を持つことで強力な瀉下作用を発揮し、さらにサッカリンナトリウム水和物とオレンジフレーバーの添加により味が良くなっている。これらの改善によって患者への負担軽減が期待される。

 国内第3相臨床試験において、検査前日と当日に分けて2回投与した群、および検査前日に2回投与した群ともに、既存のPEG電解質製剤投与群に対して非劣性であることが検証された。海外では、1980年12月に英国で承認されて以降、2016年2月までで、ドイツ・フランス・米国を含む世界69の国と地域で承認されている。

 国内臨床試験では、臨床検査値異常を含む副作用が9.2%に認められている。主な副作用は血中マグネシウム増加(1.9%)、悪心(1.4%)、直腸炎(1.2%)などであり、重大なものはアナフィラキシー、腸管穿孔・腸閉塞・鼠径ヘルニア嵌頓、虚血性大腸炎、高マグネシウム血症、低ナトリウム血症・低カリウム血症が報告されている。これらの中でも、腸管穿孔、腸閉塞については、既存のPEG電解質製剤と同様に本製剤の使用でも警告欄にて注意喚起が行われている。