2016年7月4日、尋常性ざ瘡治療薬アダパレン・過酸化ベンゾイル配合製剤(商品名エピデュオゲル)の製造販売が承認された。用法用量として1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。

 一般に「にきび」と言われている尋常性ざ瘡は、顔面を好発部位として毛孔、脂腺に発症する慢性の炎症性疾患である。毛包内への皮脂貯留(面皰)を初発疹として、毛包漏斗部の角化異常(角栓)、アクネ菌(P.acnes)の増殖による炎症を病因とする。軽症時においては、一般用医薬品、医薬部外品や化粧品などによる患者のセルフケアが広く行われている。しかし悪化した場合には瘢痕が残り、治療が困難になるため皮膚科での早期治療が必要と言われている。

 尋常性ざ瘡の治療としては、従来から抗炎症作用を有するアダパレン(ディフェリン)、外用抗菌薬のクリンダマイシン(ダラシンT) やナジフロキサシン(アクアチム)などが用いられていた。しかし、海外では抗菌薬の長期使用によるP.acnesの薬剤耐性菌出現が大きな問題となっており、耐性菌の懸念がないアダパレンや過酸化ベンゾイル(BPO)の使用が治療ガイドラインで推奨されている。日本でも2015年4月より2.5%BPO製剤(ベピオ)が臨床使用されるようになった。

 エピデュオは、作用機序が異なるアダパレンとBPOを、それぞれの承認製剤の濃度で含有する外用配合剤である。すなわち1g中に表皮の角化細胞の分化を抑制し、レチノイン酸受容体に親和性を有して遺伝子転写促進が誘導されるアダパレン0.1%と、P.acnesに対する抗菌作用と角質溶解作用を有するBPO2.5%が配合されている。アダパレンとBPOの作用機序は相補的であり、かつ1日1回の使用で良好な治療効果と利便性の向上が期待されている。

 国内外の臨床試験で総皮疹数の有意な減少などの有効性や、安全性が示されたことにより今回承認された。2007年9月に欧州で承認されて以降、2016年2月までで、世界60カ国で承認されている。

 国内第3相臨床試験(2試験)にて副作用が10.8%に認められている。主なものは皮膚刺激(8.0%)、皮膚疼痛(0.9%)、アレルギー性皮膚炎(0.6%)などであった。また本薬は単成分の製剤よりも皮膚刺激が増加するおそれがあることから、本剤使用前に各単成分の薬剤による治療を考慮すること、日光や日焼けランプなどの過度な紫外線暴露を避けるため夕方から就寝前に使用することを患者に指導する必要がある。