2016年1月22日、天然型黄体ホルモン製剤であるプロゲステロン膣用カプセル(商品名ウトロゲスタン膣用カプセル200mg)の製造販売が承認された。適応は「生殖補助医療における黄体補充」で、1回200mgを1日3回、胚移植2〜7日前により経腟投与する。妊娠が確認できた場合は、胚移植後9週(妊娠11週)まで投与を継続する。

 近年、日本では晩婚化や出生率低下による少子化が急速に進んでおり、不妊治療は少子化対策の一端を担うものとして重要視されている。難治性不妊症の治療では最近、体外受精・胚移植や卵細胞質内精子注入法などの生殖補助医療が実施されている。

 生殖補助医療ではプロゲステロン投与による黄体補充を行うことで、妊娠率が向上することが確認されている。海外では、標的臓器である子宮にプロゲステロンを効果的に送達できる膣剤の使用が主流となっているが、日本では2014年12月にようやくプロゲステロンの膣錠製剤(商品名ルティナス)が臨床使用できるようになった。

 今回承認されたウトロゲスタンは、生殖補助医療における黄体補充の適応を持つプロゲステロン膣製剤で、ルティナスに次ぐ日本で2番目の膣製剤となる。

 ウトロゲスタンは、海外での黄体ホルモン補充が必要な諸疾患の治療薬として30年以上使用され、2016年1月現在、世界80カ国以上で承認・販売されている。

 この状況を踏まえ、日本受精着床学会などから本製剤の早期開発・承認の要望書が厚生労働省に提出され、2010年4月の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて高い評価が得られた。国内の第3相臨床試験(対象:体外受精・胚移植を受ける女性)において有効性と安全性が確認されたため、今回の承認に至っている。

 臨床試験では副作用(臨床検査値異常を含む)が16.9%に認められている。主な副作用は卵巣過剰刺激症候群(2.5%)、外陰膣そう痒症、不正子宮出血、性器出血がそれぞれ1.9%であった。重大な副作用として頻度は不明だが血栓症が示されている。

 なお、本製剤と同一成分であるルティナス膣錠は、適応は同じだが用法・用量が異なる。また本製剤は添加物にラッカセイ(ピーナッツ)油を有しているため、ピーナッツアレルギーのある患者には投与禁忌であることなど、相違点には注意しなければならない。