2016年1月22日、爪白癬治療薬ルリコナゾール(商品名ルコナック爪外用液5%)の製造販売が承認された。適応は「皮膚糸状菌(トリコフィトン属)による爪白癬」で、1日1回罹患爪全体に塗布する。なお、同一成分の1%製剤(商品名ルリコン)が「皮膚真菌症(爪白癬以外の白癬)、指間びらん症などのカンジダ症、癜風」に対し、2005年より臨床使用されている。

 爪白癬は、トリコフィトン属を主な原因菌とする爪の感染症で、爪の白濁、肥厚、変形、落屑などが見られる。爪の肥厚に伴い靴を履くときの痛みや歩行困難などが出現するなど、患者の肉体的・精神的な負担は大きい。また治療が適切に行われない場合は、家族内感染など周囲への拡散を容易に引き起こすことが大きな問題となっている。

 従来、日本において爪白癬治療薬は、イトラコナゾール(商品名イトリゾール他)とテルビナフィン(商品名ラミシール他)の経口抗真菌薬のみであったが、2014年9月から外用製剤のトリアゾール系抗真菌薬エフィナコナゾール(商品名クレナフィン)が使用可能となった。

 爪白癬の治療選択肢が限られていることから国内外のガイドラインにおいては、一部の病型を除き、原則、内服薬による治療が推奨されている。しかし経口抗真菌薬には、肝障害などの全身的副作用や薬物相互作用も多く、特に高齢などで複数の治療薬を服用している患者では使用が制限される場合もある。

 ルリコナゾールは、イトラコナゾールなどと同じイミダゾール系抗真菌薬である。作用機序としては真菌細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を発揮する。

 今回承認されたルコナック爪外用液は、既存の製剤より高濃度(5%)とすることで爪に高濃度で浸透する、爪白癬用に開発された外用抗真菌薬である。各種研究により1日1回塗布で爪表面から爪深部までの爪全層に分布し、爪深部で皮膚糸状菌のMICを上回る薬物濃度を示した。5%製剤は2015年12月現在、海外では発売されていない。

 日本国内で実施した基剤(プラセボ)を対照とした1日1回48週間投与時の無作為化二重盲検並行群間比較試験(第3相臨床試験)では、有効性と安全性が確認された。日本人の健康成人を対象とした皮膚安全性試験でも、皮膚刺激性、光毒性は認められなかった。

 国内臨床試験では副作用が18.2%に認められている。主な副作用は適用部位の局所性のもので、皮膚乾燥(5.4%)、接触皮膚炎(4.1%)、爪囲炎(3.3%)、湿疹(2.5%)などであった。