2015年12月3日、アレルゲン免疫療法薬のダニエキス原末の内服製剤(商品名ミティキュアダニ舌下錠3300JAU、同ダニ舌下錠10000JAU)が発売された。本薬は9月28日に製造販売が承認され、11月26日に薬価収載されている。

 適応は「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法」で、12歳以上の患者には投与開始後1週間は1日1回3300JAU舌下投与から開始し、2週目以降は1日1回10000JAU、舌下にて1分間保持した後は飲み込む。その後、5分間はうがいや飲食を避ける。(JAU:日本アレルギー学会により設定された国内独自のアレルゲン活性単位)

 アレルゲン免疫療法、いわゆる減感作療法は、適量の原因アレルゲンを継続して投与することにより、アレルゲンに対する免疫学的な耐性を獲得することを目的とした治療法である。国内外の診療ガイドラインなどでは、鼻炎や気管支喘息などのアレルギー性疾患を根治または長期寛解させることが可能な治療法として位置付けられている。

 日本ではアレルギー性疾患に対し、従来ハウスダスト、スギ花粉などのアレルゲンを含有する皮下注製剤を用いた減感作療法(SCIT)が行われてきた。しかし、投与の煩雑さや注射による疼痛、長期間にわたる定期的な通院などの面で患者の負担が大きいことから、最近ではSCITより利便性が高い舌下製剤を用いた減感作療法(SLIT)が実施されている。

 昨年から、SLIT用製剤としてスギ花粉に対する舌下投与製剤(商品名シダトレン)が使用されている。さらにハウスダストに関しては、2015年11月からダニ抗原の活性を高めたアレルゲンエキスの原末舌下製剤(商品名アシテア)が臨床使用されるようになった。

 今回発売されたミティキュアは、アシテアと同じ2種の室内塵ダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)から抽出した、アレルゲンエキスの原末舌下製剤である。海外では2015年9月にデンマークで承認されて以降、ノルウェー、ドイツでも承認されている。

 プラセボ対照国内第2/3相臨床試験(ダニアレルギー性鼻炎患者を対象)で、本薬の有効性が確認された。また、安全性に関しても大きな問題は認められなかった。

 ミティキュアは、既存のアシテアと同一成分および適応を有する舌下錠であり、室温保存が可能で、携帯など患者の利便性が高い製剤となっている。しかし、舌下での保持時間や漸増期間など、用法・用量がアシテアと異なる点もあるので注意が必要である。

 国内臨床試験で使用例の63.6%に副作用が報告されている。主な副作用は、口腔浮腫(16.9%)、口腔そう痒感(14.5%)、咽喉刺激感(12.9%)などであり、重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシーなどが挙げられている。

 なお、ショックやアナフィラキシーの発現防止の観点から、舌下投与による減感作療法に十分精通した医師・医療機関でのみ用いるとともに、薬局においては、処方した医師・医療機関を確認してから調剤しなければならない。