2015年9月28日、抗うつ薬ベンラファキシン塩酸塩(商品名イフェクサーSRカプセル37.5mg、同SRカプセル75mg)の製造販売が承認された。適応は「うつ病・うつ状態」で、1日1回37.5mgを初期用量とし、1週後から1日1回75mgを食後に経口投与する。年齢、症状に応じ1日225mgまで適宜増減できるが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日量75mgずつ行う。

 うつ病・うつ状態では、気分の落ち込みなどの精神症状と、睡眠障害や疲労、倦怠感などの身体症状が出現する。近年、社会的ストレスにより身体症状出現率が高いうつ病に罹患する患者が増えている。

 うつ病の治療において中心的な役割を果たすのが薬物療法である。具体的には、パロキセチン(商品名パキシル)などの選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)、ミルナシプラン(商品名トレドミン)などのセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などが、うつ病治療における中心的薬剤となっている。

 これらの薬剤は、従来からの抗うつ薬であるイミプラミン(商品名トフラニール他)などに比べて、抗コリン作用(口渇、便秘など)や抗α1作用(起立性低血圧など)といった副作用が少ない特徴がある。

 今回承認されたベンラファキシンは1日1回投与の徐放性SNRIであり、既存のミルナシプラン、デュロキセチン(商品名サインバルタ)と同じく、ヒスタミン受容体やアドレナリン受容体に対して著明な親和性を示さない薬剤である。

 ベンラファキシンは、既に海外において大うつ病性障害などの治療薬として広く使用されており、1997年にスイスで承認されて以降、2015年4月現在、世界90カ国以上で承認されている。

 米国の治療アルゴリズムでは、精神病性の特徴を伴わないうつ病治療の第一選択薬として推奨され、さらに他の第一選択薬には反応しないか、または忍容性がないため治療変更を要する場合の第二選択薬としても推奨されている。

 国内臨床試験では副作用が81.9%に認められている。主な副作用は悪心(33.5%)、腹部不快感(腹痛、膨満、便秘など、27.2%)、傾眠(26.9%)、浮動性めまい(24.4%)、口内乾燥(24.3%)、頭痛(19.3%)などであり、重大な副作用としてはセロトニン症候群、悪性症候群などが報告されている。