2015年9月28日、男性型脱毛症治療薬デュタステリド(商品名ザガーロカプセル0.1mg、同カプセル0.5mg)の製造販売が承認された。適応は「男性における男性型脱毛症」で、1日1回0.1mg、必要に応じて1日1回0.5mgを経口投与する。

 同一成分では既に2009年9月より「前立腺肥大症」の適応で、0.5mg製剤(商品名アボルブ)が排尿障害治療薬として臨床使用されている。

 男性型脱毛症は、アンドロゲンにより誘発されて前頭部および頭頂部などの脱毛が進行するもので、遺伝的素因を有する人に思春期後に年齢を問わず発現する。

 脱毛は、頭皮の毛包ミニチュア化が進行し、毛周期の成長期が短縮することで、太く長い硬毛が細く短い軟毛に変化し、最終的には皮膚表面から現れなくなるという段階を踏む。脱毛の主な病因としては、上記のアンドロゲンおよび遺伝子素因があげられている。

 アンドロゲンの一種であるテストステロンは、5α還元酵素(5AR)により活性型アンドロゲンのジヒドロテストステロン(DHT)に局所および全身で変換される。このDHTがアンドロゲン受容体に結合することで、毛周期の成長期を短縮する。また、脱毛の遺伝的素因を有する場合には、DHTが頭皮における毛包のアンドロゲン受容体を活性化し、発毛に影響を与えるとされている。

 デュタステリドは、1型および2型の5ARを阻害することで男性型脱毛症に効果があると考えられている。男性型脱毛症に適応を有する5AR阻害薬としては、フィナステリド(商品名プロペシア)に次ぎ2番目の経口薬である。ちなみに、外用薬としてはミノキシジル(商品名リアップ他)が一般用医薬品として発売されている。

 第2/3相国際共同試験や国内長期投与試験などから、本薬の有効性と安全性が確認された。海外における男性型脱毛症の適応では、2009年7月に韓国で承認されている。

 第2/3相国際共同試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が17.1%認められている。主な副作用は勃起不全(4.3%)、リビドー減退(3.9%)、精液量減少(1.3%)であった。なお、本薬は男性型脱毛症のみの適応である。女性への投与は、血中DHTが低下して男性胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性があることから禁忌となっていることに注意する。