2015年9月28日、抗ウイルス化学療法薬オムビタスビル水和物/パリタプレビル水和物/リトナビル(商品名ヴィキラックス配合錠)の製造販売が承認された。適応は「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」であり、用法・用量は「1日1回2錠を食後に12週間経口投与」となっている。

 C型慢性肝炎(ジェノタイプ1)の治療においては、従来はインターフェロン(IFN)製剤とリバビリン(商品名コペガス、レベトール)の併用療法が推奨されてきたが、近年、持続的ウイルス陰性化(SVR)率を向上させたテラプレビル(商品名テラビック)などの直接ウイルス阻害薬(DAAs)が開発・承認され、さらに9月1日には、SVR率100%を達成したDAAsであるレジパスビルとソホスブビルの配合製剤(商品名ハーボニー)も発売されている(関連記事)。

 ヴィキラックスは、HCVの複製に必須の蛋白である非構造蛋白5Aを阻害するオムビタスビルと、非構造蛋白3/4Aプロテアーゼの活性部位で基質の結合を競合的に阻害するパリタプレビルを有効成分としている。リトナビルは、代謝酵素CYP3A4を抑制してパリタプレビルの血中濃度を高める、薬物動態学的ブースターとして加えられている。ヴィキラックス1錠には、オムビタスビル12.5mg、パリタプレビル75mg、リトナビル50mgを含有する。

 ヴィキラックスはHCVの型(セログループ1[ジェノタイプ1])におけるIFNフリーの治療としては、ダクラタスビル(商品名ダクルインザ)とアスナプレビル(商品名スンベプラ)との併用療法と、ハーボニーに次ぐ3番目となる治療法である。

 未治療またはIFNなど前治療のあるジェノタイプ1bの患者を対象とした国内第3相臨床試験(12週間投与)では、SVR12率(投与終了から12週間後のHCV RNAが定量下限値未満の割合)が未治療患者94.6%、前治療歴患者93.6%と高い有効性を示し、また高い安全性も確認された。

 国内第3相試験から副作用(臨床検査値異常を含む)が28.9%に認められている。主な副作用は、末梢性浮腫4.1%、頭痛3.3%、悪心2.8%などであり、重大な副作用としては体液貯留、肝機能障害が報告されている。