2015年9月28日、2型糖尿病治療薬ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩(商品名エクメット配合錠LD、同配合錠HD)の製造販売が承認された。適応は「ビルダグリプチンおよびメトホルミンの併用による治療が適切と判断された2型糖尿病」で、1回1錠、1日2回朝・夕に投与する。配合錠LD(ビルダグリプチン50mg/メトホルミン250mg)と配合錠HD(ビルダグリプチン50mg/メトホルミン500mg)の2規格が販売される見込みである。

 これまで、2型糖尿病の治療に使用される配合剤としては、(1)チアゾリジン誘導体ピオグリタゾン(商品名アクトス他)とジペプチジルペプチターゼ-4(DPP-4)阻害薬アログリプチン(商品名ネシーナ)の配合製剤(商品名リオベル)、(2)ピオグリタゾンとSU系薬グリメピリド(商品名アマリール他)との配合製剤(商品名ソニアス)、(3)ピオグリタゾンとビグアナイド系薬メトホルミン(商品名メトグルコ他)の配合製剤(商品名メタクト)、(4)速効型インスリン分泌促進薬ミチグリニド(商品名グルファスト)とαグルコシダーゼ阻害薬ボグリボース(商品名ベイスン他)の配合製剤(商品名グルベス)――の4種類が販売されていた。

 今回承認されたエクメットは、日本で初となるDPP-4阻害薬のビルダグリプチン(商品名エクア)とビグアナイド系薬のメトホルミンの配合製剤である。

 インスリン分泌促進作用とグルカゴン分泌抑制作用を有するDPP-4阻害薬と、末梢組織のインスリン感受性およびグルコース消費を増加させてインスリン抵抗性を改善するビグアナイド系薬を配合することで、インスリン作用の両面からの効果を期待できる薬剤となっている。

 国内臨床試験では、メトホルミンまたはビルダグリプチン単独投与で効果不十分ないずれの患者においても、本薬投与で良好なHbA1cの低下が認められた。海外では、2007年の欧州連合(EU)をはじめとして、2015年6月現在、世界120カ国で承認されている。

 国内臨床試験で、副作用(臨床検査値異常を含む)が19.9%認められている。主な副作用は便秘(2.9%)、アミラーゼ増加(2.5%)、下痢(2.1%)、悪心(1.7%)などであり、重大な副作用は乳酸アシドーシス、肝炎、肝機能障害、黄疸などが挙げられている。

 なお本薬は他の配合製剤と同様に、2型糖尿病治療の第一選択薬としては使用できないことに注意する。