2015年7月3日、外皮用殺菌消毒薬オラネキシジングルコン酸塩(商品名オラネジン消毒液1.5%、同液1.5%消毒用アプリケータ10mL、同液1.5%消毒用アプリケータ25mL)の製造販売が承認された。適応は「手術部位(手術野)の皮膚の消毒」で、適量を塗布する。

 現在、術後感染防止として手術部位(手術野)の皮膚消毒には、ビグアナイド系薬剤のクロルヘキシジングルコン酸塩(商品名ヒビテン、ヘキザック、マスキン他)やポビドンヨード(商品名イソジン他)、エタノールなどの各種消毒薬が重要な役割を担っている。しかし、近年ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、緑膿菌など既存の消毒薬に抵抗性を示す菌が報告され、大きな問題となっていた。

 オラネキシジンは、ビグアナイド系殺菌消毒薬でクロルヘキシジンと構造が類似しているが、クロルヘキシジンと異なり適用が手術部位(手術野)に限定した薬剤である。

 非臨床試験(in vitro、マウス)から、既存のクロルヘキシジンと異なり各種グラム陽性及び陰性の一般細菌のみならず、MRSA、VRE、緑膿菌、さらにはセラチア菌、セパシア菌などに対しても強い殺菌力を有し、特にグラム陽性菌には強い殺菌力と速効性を有することが確認された。

 健康成人を対象とした臨床第3相試験では基剤(プラセボ)に対する優越性が示され、日本環境感染学会の「生体消毒薬の有効性評価指針:手術野消毒2013」の有効性判定基準を満たすことが確認されている。

 作用機序としては、細菌の膜に結合して構造を破壊することで、細胞質成分の不可逆的漏出を引き起こすほか、比較的高濃度では、タンパク変性作用により菌を凝縮させ、死滅させると推定されている。

 オラネキシジンでは、今回、既存の生体消毒薬にはない新規製剤のアプリケータが承認された。簡単な操作で衛生的かつ迅速に消毒操作が可能な製剤となっており、微生物汚染・異物混入のリスクおよび綿球などの消費量の減少が期待されている。

 国内16施設で実施し、腹腔鏡下での消化器手術予定患者を対象とした臨床第3相試験において、副作用が5.8%に認められている。主な副作用は適用部位皮膚炎・適用部位紅斑・適用部位そう痒感(各1.9%)が報告されている。また、創傷部位や粘膜面へは使用できないことに注意しなければならない。