2015年7月3日、持効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリングラルギン300単位/mLキット製剤(商品名ランタスXR注ソロスター)の製造販売が承認された。グラルギン製剤に関しては、100単位/mL製剤(商品名ランタス注[2006年]、同注カート[2003年]、同注ソロスター[2008年])が臨床使用されている。

 1型および2型糖尿病治療では、血糖を管理し、高血糖状態によって生じる神経障害、網膜症、腎症への進行を抑えることが最重要となっている。

 薬物療法の中でもインスリン療法は、インスリン作用不足を直接補うものであり、作用発現時間および作用持続時間によって様々なインスリン製剤が使用されている。中でも持効型溶解インスリンアナログ製剤は、低血糖の発現リスクを抑え、かつ良好な血糖コントロールを維持できる製剤として開発された製剤である。

 持効型溶解インスリンアナログ製剤としては、デグルデク(商品名トレシーバ)、デテミル(商品名レベミル)のカートリッジおよびキット製剤が臨床使用されている。他のインスリン製剤と比べ、明らかな血糖降下作用のピークがなく、1日1回の投与で24時間安定した血糖降下作用を有している。

 今回承認されたランタスXR注は、既存のランタス製剤と同一の成分であるが、濃度を3倍(100単位/mLから300単位/mL)にした製剤である。濃度を高くすると注射液量が少なくなり、皮下の無晶性沈殿物の単位量あたりの表面積が小さくなる。その結果、投与部位からの吸収がより緩やかになるため、既存の製剤より平坦で持続的な薬物動態および薬力学プロファイルとなり、24時間以上安定した血糖降下作用を示すと考えられている。

 日本人を含めた複数の国内外の臨床試験で、優れた血糖降下作用を示し、夜間低血糖のみならず24時間低血糖の発現の低減が認められている。海外では2015年7月現在、米国、カナダ、欧州で承認されている。

 臨床試験で4.8%に副作用が認められている。主な副作用は重篤な低血糖(2.1%)、不眠症・感覚鈍麻・硝子体出血・脂肪肝・全身性そう痒症・注射部位反応・注射部位腫脹・注射部位出血(各0.3%)で、重大な副作用は低血糖、ショック、アナフィラキシーが報告されている。