2015年6月26日、高コレステロール血症治療薬ピタバスタチンカルシウム水和物(商品名リバロ錠1mg、同錠2mg、同OD錠1mg、同OD錠2mg)に、家族性高コレステロール血症における小児用法が追加承認された。用量は「10歳以上の小児に1日1回1mgを経口投与。効果不十分な場合には1日2mgまで」となっている。

 家族性高コレステロール血症FH)は、LDL受容体関連遺伝子の変異による遺伝性疾患であり、高LDLコレステロール(LDL-C)血症、皮膚・腱の黄色腫および早発性冠動脈硬化症を主徴とする。

 FHは、遺伝背景のない高コレステロール血症に比べLDL-C増加が激しく動脈硬化の進展が早いことから、動脈硬化予防を目的としたLDL-C低下治療を若年齢から実施することが必要と言われている。

 現在、日本において治療を必要とするFH小児患者は、潜在的に約2万4000人いると推定されている。しかしこれまでは小児に適応を有する高コレステロール血症治療薬は存在せず、主に低脂肪食などの食事療法を中心に、肥満など動脈硬化症の危険因子の除去を目的とする限定された治療が行われてきた。

 ピタバスタチンは、主に高コレステロール血症の治療で使用されるスタチンの1つである。スタチンは、肝臓に選択的に分布するコレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を特異的かつ拮抗的に阻害し、肝細胞内のコレステロール含量を低下させ、LDL受容体の発現を促進する。その結果、血液中のLDL-Cの取り込みを増加し、血清コレステロールを低下させる。

 このピタバスタチンについて、小児FH患者を対象とした国内第3相臨床試験が実施され、1日1回1mgまたは2mgを52週間投与することで有意なLDL-C低下が認められた。

 国内臨床試験では、症例数が少ないものの全例で副作用が認められなかった。一方海外の臨床試験では、15.6%に副作用が認められている。主な副作用は、頭痛、腹痛、筋肉痛などで、重大な副作用としては、横紋筋融解症、ミオパチーなどが示されている。

 なお、今回のFHの適応追加は10歳以上の小児が対象であること、4mg製剤(商品名リバロ錠4mg、同OD錠4mg)には小児への使用が認められていないことに留意する。また小児の使用に当たっては、治験での症例数が少ないため一定期間、全症例で使用成績調査を実施することが義務付けられている。