2015年3月26日、細菌ワクチン製剤のシンフロリックス水性懸濁筋注の製造販売が承認された。適応は「肺炎球菌による侵襲性感染症および肺炎の予防」であり、初回免疫として1回0.5mLずつ3回、いずれも27日間以上の間隔で筋肉内に注射する。追加免疫としては1回0.5mLを1回、3回目接種から4ヵ月以上の間隔をあけて筋肉内に注射する。

 肺炎球菌は感染力が強く、乳幼児の重篤な感染症(細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎など)の代表的な起炎菌である。特に細菌性髄膜炎は、罹患すると後遺症を残したり、死亡に至ることもあることから、日本をはじめとして世界各国で13価肺炎球菌結合型ワクチン(商品名プレベナー13)の定期接種が行われている。

 一方、肺炎球菌での肺炎は、日本において小児(1〜4歳)の病気による死亡原因の第4位を占めているが、現時点では予防適応を有するワクチンがないのが問題となっていた。

 シンフロリックスは、日本では初となる肺炎球菌による肺炎予防に適応を有する薬剤である。キャリアタンパクとして、破傷風トキソイド・ジフテリアトキソイドに加えて、無莢膜型インフルエンザ菌由来プロテインDを結合させた、新しいタイプの小児用肺炎球菌結合型ワクチンである。

 海外での臨床試験において、本剤含有の肺炎球菌血清型による侵襲性肺炎球菌感染症に対して100%の予防効果、細菌性と考えられる肺炎に対し22%の予防効果が確認されている。

 国内臨床試験では、標準接種スケジュール(初回免疫として3回接種後に追加免疫1回)で筋肉内に接種した後、ほとんどの被験者で肺炎球菌ワクチンの有効性指標となるIgG抗体濃度と、肺炎球菌に対する感染防御に最も相関するオプソニン貧食活性力価が高くなったことが確認された。

 シンフロリックスは、接種するワクチンの数が多くかつ接種部位が限られている乳幼児において、他のワクチンと同時に接種できる有用な筋注ワクチン製剤として期待されている。

 海外では、2008年カナダを始めとして2015年3月現在、130カ国以上の国と地域で承認されている。

 国内臨床試験において、健康乳児に本薬と沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンを同時に接種した場合、接種後8日間で局所の副反応が73.4〜84.6%、さらに全身性の副反応が20.6〜28.1%に認められている。

 主な局所副反応は注射部位発赤や腫脹などで、全身性副反応は易刺激性や発熱などである。重大な副反応としては、ショック、アナフィラキシー、痙攣、血小板減少性紫斑病が海外で認められている。