2015年5月20日、アレルゲン免疫療法薬のダニエキス原末の内服製剤(商品名アシテアダニ舌下錠100単位、同舌下錠300単位)が薬価収載された。適応は「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法」で、成人および12歳以上の小児には1回100単位、1日1回舌下投与から開始し、1回100単位ずつ、300単位まで増量する。漸増期間は原則3日間とし、舌下投与後は完全に溶解するまで保持した後、飲み込み、その後5分間はうがいや飲食を避ける。

 アレルゲン免疫療法いわゆる減感作療法は、適量の原因アレルゲンを継続して投与することにより、アレルゲンに対する免疫学的な耐性の獲得を目的とした治療法である。国内外の診療ガイドラインなどでは、鼻炎や気管支喘息などのアレルギー性疾患を根治または長期寛解させることが可能な治療法として位置付けられている。

 日本では従来より、ハウスダスト、スギ花粉などのアレルゲンを含有する皮下注製剤を用いた減感作療法(SCIT)が臨床使用されてきた。

 ハウスダストに関しては室内塵ダニが主たるアレルゲンであることが判明しており、このダニ抗原の活性を高めた減感作療法製剤としては、今年4月に発売されたダニアレルゲンエキス皮下注製剤が使用されるようになった。

 昨年から、スギ花粉に関しては舌下投与製剤(商品名シダトレン)による減感作療法(SLIT)が使用されている。臨床現場では、投与の煩雑さや注射による疼痛、長期間にわたる定期的な通院などで患者の負担が多いことから、SCITより利便性が高いSLITが熱望されていた。

 今回承認されたアシテアは、2種の室内塵ダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)から抽出したアレルゲンエキスの原末舌下製剤である。

 海外では、同成分の舌下液がアレルギー性鼻炎と気管支喘息の適応で、欧州を中心とした世界21カ国(2014年4月現在)で承認されている。しかし舌下液は、冷所保存であることや服用時には患者自身が滴下数で用量を調節する必要があるなどの課題があった。アシテアは、室温保存が可能であり患者の利便性が高い製剤となっている。

 プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした国内第2/3相臨床試験)では、本薬の有効性が確認された。また、安全性に関して問題は認められなかった。

 臨床試験などから使用例の68.3%に副作用が報告されている。主な副作用は、咽喉刺激感(21.0%)、口腔浮腫(20.0%)、口腔そう痒感(18.3%)、耳そう痒感(10.4%)であり、重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー、咽頭浮腫・喉頭浮腫に注意が必要である。

 なお、ショックやアナフィラキシーの発現防止の観点から、「舌下投与による減感作療法に十分精通した医師・医療機関のみ用いられ、調剤薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認してから調剤すること」が本薬の承認条件となっているので留意する。