2015年3月26日、抗造血器悪性腫瘍薬ポマリドミド(商品名ポマリストカプセル1mg、同カプセル2mg、同カプセル3mg、同カプセル4mg)の製造販売が承認された。5月20日に薬価収載が予定されている。適応は「再発または難治性の多発性骨髄腫」で、レナリドミドおよびボルテゾミブの治療歴がある患者を対象とする。用法・用量は「デキサメタゾンとの併用において、1日1回4mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す」となっている。

 多発性骨髄腫は、骨髄中の白血球の一つである形質細胞が癌化することで引き起こされる血液癌である。血液癌の中では2番目に多く、日本での総患者数は1万4000人程度と推定されている。

 通常、形質細胞では外来侵入物に対する抗体(免疫グロブリン)が産生されるが、多発性骨髄腫では、癌化した形質細胞がパラプロテイン(またはM蛋白)と呼ばれる、抗体としては作用しない免疫グロブリンを産生し、免疫能の低下などを来す。原因は不明だが、遺伝的素因が疑われている。

 標準的治療としては、メルファラン(商品名アルケラン)/プレドニゾロン療法(MP療法)や、3種類以上の抗癌剤を併用する多剤併用療法などがある。さらに近年、サリドマイド(商品名サレド)、ボルテゾミブ(商品名ベルケイド)、レナリドミド(商品名レブラミド)などの新しい薬剤の使用により、寛解率や生存期間の延長などが飛躍的に向上してきた。しかし、これらの薬剤でも再発および難治化する症例は少なくなく、より有効性の高い薬剤の開発承認が待望されていた。

 今回承認されたポマリドミドは、既存のレナリドミドと同じくIMiDs(Immunomodulatory Drugs)と称される一連の新規免疫調節薬の1つであり、サイトカイン産生調節作用、造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用などを有すると考えられている。

 ポマリドミドは、レナリドミドおよびボルテゾミブの治療歴のある多発性骨髄腫患者を対象とした、海外第3相臨床試験を含む複数の海外臨床試験と日本での第2相臨床試験から、有効性および安全性が確認された。

 本薬は2014年6月に希少疾病用医薬品の指定を受けている。海外では2013年2月に米国で承認されて以降、2014年11月までにカナダ、欧州など世界36カ国で承認されている。

 国内第2相臨床試験では副作用(臨床検査値異常を含む)が88.9%に認められた。主な副作用は好中球減少症(69.4%)、血小板減少症(33.3%)、発疹(22.2%)などであり、重大な副作用は深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳梗塞などが報告されている。

 なお本薬はサリドマイド誘導体であり、催奇形性を有する可能性がある。そのため厚生労働省は、類似薬のレナリドミドと同様に、胎児が本薬に曝露されることがないよう製造販売元に対して厳格な安全管理体制の構築(「レブラミド・ポマリスト適正管理手順」作成など)を指示している。