2015年3月25日、抗HIV薬ドルテグラビルナトリウム・アバカビル硫酸塩・ラミブジン配合錠(商品名トリーメク配合錠)が薬価基準に収載された。本薬は同月16日に製造販売が承認されている。1日1回1錠を、食事の有無にかかわらず経口投与する。

 ヒト免疫不全ウイルスHIV)感染症治療の基本原則は、3剤以上の抗HIV薬を併用する抗レトロウイルス療法である。しかしHIV治療を長期間遂行する際に、既存の抗HIV薬に対する耐性株の出現や、長期使用による毒性発現が大きな問題となっていた。

 現在、抗HIV薬としては、ラミブジン(商品名エピビル)などのヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬、アバカビル(商品名ザイアジェン)などの非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬、リトナビル(商品名ノービア)などのHIVプロテアーゼ阻害薬、ドルテグラビル(商品名テビケイ)などのHIVインテグラーゼ阻害薬、CCR5阻害薬のマラビロク(商品名シーエルセントリ)、さらには、これら抗HIV薬の配合製剤(商品名コンプレラ、スタリビルド)などが医療現場で使用されている。

 今回承認されたトリーメクは、ドルテグラビル、アバカビル、ラミブジンの3成分を含有した配合製剤である。なお、アバカビルとラミブジンとの配合製剤(商品名エプジコム)は既に臨床使用されている。

 ドルテグラビルは、非臨床および臨床試験から優れたウイルス学的効果と忍容性に加え、薬剤耐性が生じにくいことが確認されている。さらに食事の有無にかかわらず1日1回1錠の服用が可能なことから、服薬アドヒアランスの向上も期待できる。

 海外臨床試験において、ドルテグラビル単剤とアバカビル・ラミブジン配合剤の1日1回併用投与について、有効性と安全性が確認されている。さらに同試験では、薬剤耐性ウイルスの発現は認められていない。

 海外では2014年8月に米国で販売承認された後、欧州、カナダ、チリなどで承認され、2014年11月時点では9カ国で販売承認を申請中である。米国の抗HIV療法ガイドラインでは、トリーメクの有効3成分の併用レジメンを推奨している。

 4つの海外臨床試験では、トリーメクの有効3成分の併用投与により40%の患者に副作用が認められている。主な副作用は悪心(12%)、不眠症(7%)、頭痛・浮動性めまい(各6%)などで、重大な副作用は発熱や皮疹などの過敏症、薬剤性過敏症症候群などが示されている。