2015年2月24日、アレルゲン免疫療法薬の治療用ダニアレルゲンエキス皮下注が薬価収載された。4月21日に発売が予定されている。適応は、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎気管支喘息に対する減感作療法である。使用の際は皮内反応テストを行い、皮内反応閾値および患者の状態に応じて、初回投与濃度や量、投与回数などを調節する。詳細は添付文書を参照されたい。なお、本製剤と同一成分で皮内反応テスト用のスクラッチダニアレルゲンエキスも製造販売が承認されており、同時発売の予定である。

 アレルゲン免疫療法、いわゆる減感作療法は、適量の原因アレルゲンを継続して投与することによりアレルゲンに対する免疫学的な耐性の獲得を目的とした治療法である。国内外の診療ガイドラインなどでは、鼻炎や気管支喘息などのアレルギー性疾患を根治または長期寛解させることが可能な治療法として位置づけられている。日本においては、従来よりハウスダスト、スギ花粉などのアレルゲンを含有する減感作療法製剤が臨床使用されている。

 減感作療法では、診断に用いるアレルゲンと治療に用いるアレルゲンが同一であることが望まれており、天然物から抽出したアレルゲンエキスは常に一定の力価を得られるように標準化することが有効性と安全性の面から重要となっている。

 日本では1963年より、ダニによって引き起こされる鼻炎や気管支喘息に対しては、主要抗原がダニであるハウスダストエキスを皮下注射する減感作療法が用いられてきた。しかし、ハウスダストにはダニ以外の成分も含まれているためダニ成分の活性が低いことが指摘されており、専門家などからダニエキス自体を主成分とする減感作療法製剤の早期開発が望まれていた。

 今回承認された製剤は、2種の室内塵ダニ(コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ)から抽出したアレルゲンエキスの混合液剤である。海外では1991年に米国で承認され、2014年10月までにカナダおよびメキシコで承認されている。

 日本での承認に際しては、国内外診療ガイドラインおよび教科書などで有効であるとの記載があること、海外でアレルギー性疾患(鼻炎、気管支喘息)に対し長年使用されていることなどから、有効性を検証する臨床試験は行われていない。安全性に関しては、国内非盲検非対照試験が実施され、本製剤の安全性が確認された。

 第3相臨床試験(52週間)で、47.7%に副作用が認められている。主な副作用は注射部位疼痛(15.9%)、注射部位そう痒感・蕁麻疹(各13.6%)、注射部位腫脹・咳嗽(各11.4%)などであった。重大な副作用はショック、アナフィラキシーが認められている。

 ちなみに、本製剤と同一成分の舌下錠について鳥居薬品が製造販売承認を申請しているほか、3月26日付で塩野義製薬のダニアレルギー舌下免疫療法薬(舌下錠)の製造販売が承認された。