2015年2月24日、ムコ多糖症IVA型治療薬エロスルファーゼ アルファ(商品名ビミジム点滴静注液5mg)が薬価収載された。1回2mg/kgを週1回点滴静注する。本薬は2012年12月に希少疾病用医薬品に指定されている。

 ムコ多糖症IVA型は、ケラタン硫酸やコンドロイチン-6-硫酸などのグリコサミノグリカンを分解する、ライソゾーム酵素N-アセチルガラクトサミン-6-スルファターゼ(GALNS)の活性が遺伝子変異により低下した、常染色体劣性遺伝疾患である。GALNSの活性低下によりグリコサミノグリカンが広範な組織に蓄積し、骨格形成不全、筋骨格障害または呼吸機能不全を呈する。

 呼吸循環器系や神経系の合併症(脊髄・頸髄圧迫)、致死性の肺炎、呼吸不全を併発しやすいとされ、疾患の進行が速い場合には10〜20歳で死亡に至るが、進行が緩徐で60歳以上まで生存した症例もごくわずかであるが報告されている。日本では、2008年での疫学調査などでムコ多糖症IVA型の確定診断例は21例、疑い例は6例が特定されている。ムコ多糖症IVA型は有効な根本治療法がないことから、これまでは疼痛や感染症に対する薬物療法、頸椎固定術などの外科的治療といった対症療法を行っていた。

 エロスルファーゼ アルファは、GALNSに高マンノース型糖鎖およびリン酸化高マンノース型糖鎖を付加させた糖たんぱく質である。カチオン非依存性マンノース-6-リン酸受容体を介して標的細胞に取り込まれライソゾームに移行し、ライソゾーム内に蓄積したグリコサミノグリカンの異化を亢進し、排出を促進する。

 海外では、2014年2月米国、2014年4月欧州で承認され、2014年8月現在、世界30カ国以上で承認されている。本薬は日本人を含むムコ多糖症IVA型患者を対象としたプラセボ対照無作為二重盲検比較試験(国際共同試験)とその後の長期投与試験において、有効性と安全性が確認され、今回の承認・薬価収載に至った。

 臨床試験では72.4%に副作用が認められている。主な副作用は発熱、嘔吐、頭痛、悪心であり、重大な副作用としては、警告としても注意喚起されている重篤なinfusion associated reaction(アナフィラキシーなど)が報告されている。なお、本薬は承認時までの国内治験症例が限られていることから、全投与症例を対象に使用成績調査を実施することが承認条件となっている。