2015年2月24日、がん性皮膚潰瘍臭改善薬メトロニダゾール(商品名ロゼックスゲル0.75%)が薬価収載された。適応は「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」で、症状および病巣の広さに応じて適量を使用する。潰瘍面を清拭後、1日1〜2回ガーゼなどにのばして貼付するか、患部に直接塗布しその上をガーゼなどで保護する。メトロニダゾールとしては、既に内服の錠剤と外用の膣剤(商品名フラジール)が1961年より、注射製剤(商品名アネメトロ)が2014年9月より臨床使用されている。

 がん性皮膚潰瘍臭は、皮膚潰瘍を伴った進行性がんの腫瘍部から発生する強烈な臭気のことである。潰瘍病変における嫌気性菌の感染により、嫌気性菌から産生される脂肪酸やポリアミン類などの臭気物質が臭気の主な原因である。従って、嫌気性菌を消失させることで臭気を軽減できると考えられている。

 メトロニダゾールは、皮膚潰瘍部で増殖し臭気物質(プトレシン、カダベリン)を産生する数種類のグラム陽性およびグラム陰性嫌気性菌に対し、抗菌活性を発揮する薬剤である。日本ではこれまで、がん性皮膚潰瘍臭に適応のある医薬品が承認されていなかったため、メトロニダゾールの経口製剤などを用いて外用剤を調製し、院内製剤として使用されていた。

 今回薬価収載されたメトロニダゾール水性ゲル製剤であるロゼックスゲルは、「がん性皮膚潰瘍に伴う臭気の軽減」の適応で英国にて1994年に承認されている。日本では2010年、日本緩和医療学会および日本緩和医療薬学会から開発・承認の要望が厚生労働省へ提出された。その後「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて審議され、開発が行われて承認と薬価収載に至った。がん性皮膚潰瘍に伴う臭気を有する患者を対象とした国内第III相試験では、1日1〜2回、14日間塗布により有効性と安全性が確認された。

 国内臨床試験では、副作用として9.5%に潰瘍部位からの出血が認められた。主な副作用として、皮膚灼熱感、刺痛感、潰瘍部位からの出血などが海外から報告されている。

 妊婦への投与に関しては、メトロニダゾールが経口投与で胎盤関門を通過して胎児へ移行すること、本薬の皮膚潰瘍部位から全身吸収が確認されていることから「妊娠3ヵ月以内の婦人」への投与は禁忌となっていることに注意する。