2015年2月24日、血液凝固第VIII因子製剤エフラロクトコグ アルファ(商品名イロクテイト静注用250、同500、同750、同1000、同1500、同2000、同3000)が薬価基準に収載された。適応は「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」であり、1回10〜30国際単位/kgを数分かけて緩徐に静注する。定期的に投与する場合の詳細な用法用量は添付文書を参照されたい。

 血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)は、X染色体連鎖劣性遺伝性の出血性疾患であり、主に男性に発症する。血液凝固第VIII因子の機能的欠損により正常な血液凝固能が障害され、出血を繰り返したり、出血が長時間にわたることが認められている。出血に伴う合併症として、関節の重度の腫れや痛み、関節障害、それによる身体障害、致死的な出血などを引き起こす危険性がある。

 血友病は全世界で46万人が罹患している。そのうち約80%は血友病Aに罹患し、日本では平成25年度で4761人の血友病A患者が確認されている。

 現時点では、重篤かつ致死的な血友病Aに対する根本治療法(遺伝子治療など)はない。血液凝固第VIII因子製剤による補充療法(定期的、出血時または周術期の投与)が標準的治療法とされている。しかし従来の血液凝固因子製剤は、出血頻度を抑える有効な治療法ではあるが、定期的な投与のため頻回の静脈注射が必要となり、患者への負担が多いのが現状であった。

 今回薬価収載されたエフラロクトコグ アルファは、長時間作用型のヒト遺伝子組換え血液凝固第VIII因子Fc領域融合蛋白質製剤である。Bドメイン除去型ヒト遺伝子組換え血液凝固第VIII因子と、ヒト免疫グロブリンのサブクラス1(IgG1)のFc領域が共有結合した構造を持つ。

 IgG1のFc領域の結合により、新生児型Fc受容体との作用を介してリソソーム分解を受けずに循環血液中に再循環されることが可能になった。その結果、本薬は従来薬よりも血漿中消失半減期が延長(19.0時間)されており、3〜5日間隔の定期的な投与や、患者の状態によっては週1回の投与も可能となっている。

 日本人を含む、第VIII因子製剤で治療歴のある12歳以上の重症血友病A患者を対象とした国際共同第3相臨床試験で、本薬の有効性と安全性が確認されている。海外では、米国(2014年6月)、オーストラリア(2014年6月)、カナダ(2014年8月)で承認されている。

 臨床試験から副作用が5.5%に認められている。主な副作用は倦怠感・関節痛(各1.2%)などで、重大な副作用はショック、アナフィラキシーが報告されている。